zizi さんの日記
2013
4月
12
(金)
06:10
本文
連載小説「水の空に眠る」の最終話です。
バックナンバーにタイトルを付けて並べてみました。下記より御参照頂ければと思います。
第一話 寛太の出撃
第二話 出逢い
第三話 DogFight!
第四話 司令官の憂鬱、その過去
第五話 まこの外出
第六話 笹子
第七話 いさこの鼓
第八話 ぽとまんの傷跡
第九話 なぎこの回想夢
第十話 黒猫館の暑い日
第十一話 終戦後
第十ニ話 Live and let live
第十三話 激闘黒猫館
絶望的な危機の中、銃を持ち立ちはだかるまこ、制止しようとするなぎこ、そしていさこの三人娘に運命は委ねられる...
それではいよいよ最終回です!それではどうぞ!
かんなぎの空かんなぎの空 〜「水の空に眠る」main title/zizi
挿入歌にこちらをどうぞ。戦場で死にたい猫はいない/TheKandersさん
------------------------------------------
「水の空に眠る」
最終話 八月の水の空
1945年8月18日 海軍航空隊基地
<寛太さん、助けて!>
その時…耳の良いいさこが最初に気付いた。飛行機の音が近づいて来る…
「栄の音…と、もう一つ…近づいて来る...」
いさこの耳はゼロ戦の発動機音を正確に聞き分けた。しかしもう一機いるという。皆が疑問を口にする間もなくエンジン音が近づきいて来たかと思うと二機の飛行機が横並びの状態で皆の頭上をかすめる程の超低空で通過した。一機は零戦、もう一機は銀色に輝くスマートな機体でアメリカ軍のマークが翼に見えた。
------------------------------------------
同時刻
匂橋付近の河原
ぽとまんは黒猫館で気絶させた兵隊達が簡単には動けない用に服を矧ぎ裸にした上で縛り上げ、その体を河原に転がしている最中に銃声とそれに続く飛行機の爆音を聞いた。
「あれ?樋渡の奴大丈夫かな..しかし何でいま頃零戦が..どっから来たんだ?しかも米軍機と一緒に?」
異変を感じ、ちょっと基地に戻ってみようと思い、トラックを走らせた。基地に戻ると何か慌ただしい。抗戦派と思しき二人の兵隊が残った基地の人間を軟禁しているらしい建物の前で言い合いをしていた。仲間が倒れるのを見て、逃げるか留まるかで言い争っているようだった。
「お二人さん、御苦労様です。只今お仲間は河原で伸びてますよ」
「何だ貴様?」と銃を向ける、と同時にぽとまんの当て身を受けていた。振り向きざまにもう一人を見るともう遠くまで慌てて逃げて行くのが見えた。伸びた兵隊の腰には軟禁場所の営倉の鍵が付いている。すぐに扉を開放すると、中の者達は口々に礼を言ったがぽとまんはちょっと急ぐから、と言い残し滑走路の方へ向かった。
------------------------------------------
同時刻
海軍航空隊基地
「P-51だ!」
爆音に目覚めた由布と樋渡がほぼ同時に叫んだ。皆あっけにとられて上空を眺める。その時「ゴンッ」と音がして拳銃を手にしていた兵士が倒れ込んだ。傍らには須倉がスパナを持って立っている。
「須倉さん...大丈夫だったの?」
なぎこは安堵の表情を浮かべて言った。
「いや、ビックリしました。少し痛かったですが、背中に背負ってた工具達が私を守ってくれましたよ」
須倉は穴の開いたリュックを降ろして苦笑いした。
上空に目を向けると二機は一式陸攻の上を通り過ぎると左右に別れ空中戦を始める。それはまるで危険な舞踏のように見えた。その場にいた全員が何故今頃、日米の戦闘機が空中戦を?という疑問を忘れて手に汗握って見守っていた。速度に勝るP-51が零戦の後方に付いた、かと思うと零戦は機を左右に滑らせて照準から逃れようとする。しかしP-51の軽快さはいつまでもそれを許さなかった。すぐ後方近くまで接近したかと思うと零戦は逃れるように上昇を始め、P-51は自信を持ってそれを追うような機動を見せた。
「ダメだ!零戦の方が多少旋回半径は小さくても...」
「P-51は速度が速いだけでなく運動性能も良いんです!」
由布と樋渡が同時に叫んだその時。宙返りの頂点付近に昇った零戦がふらりとゆらめいたように見えた。失速し、横滑りして斜め旋回をした...かと思うとそれは最小回転半径でP-51の後ろ上方から降下し、下から見ている者にとっては衝突しそうに見えた程接近した。零戦がP-51の後方の位置ををしばし占有した時。
「左捻り込みだ..」樋渡が言ったそれは、零戦の空戦技術の中でも熟練した者だけに可能な機動である。
「あれが出来るのはこの基地では一人しか居なかった...」由布はまさか、と言いたげに呟いた。
P-51はその直後「参った」と言うように翼を振り、その後二機はゆっくりと旋回した後、脚を出して着陸体制に入った。
「...」
まこは呆然とした表情で小銃を握ったままその場に座りこんでいる。なぎこといさこを先頭に皆駆け寄って来た。
「まこちゃん、もうこれいいでしょう?手を放して...」
なぎこは力無く座りこんでいるまこの手から小銃を取り、由布に渡した。
「まこちゃん、大丈夫?」
いさこは慰めるように声をかけた。
「なぎこさん...いさこちゃん..ごめんなさい..私..」
「大丈夫よ、もう...一生懸命だったんだよね...」
「もう終わったんや...もう大丈夫やから」
「うわーん。。。」
まこはこれまで堪えて来た物を一気に吐き出すように泣いた。三人は肩を寄せ、声を出して泣いた。
二機の戦闘機は機体をゆっくりと一式陸攻に寄せ、皆が見守る中搭乗員が降りて来た。P-51からはアメリカ人が苦笑いし、そして零戦からは日本人らしき搭乗員がこちらを見て大声を上げた。
「あれ..おーい!皆こんな所で何してるのぉ!」
その声を聴いたなぎこは瞬間心臓が止まるかと思う程驚いた。聞き覚えのある声...忘れもしない、寛太だった!なぎこは目を凝らして零戦から降りて来た搭乗員を見つめた。
「か、寛太さんなの?!」
「あれ?こいつぁ...寛太さんかい?」
なぎこが叫び、いつの間にか皆の中に混じっているぽとまんがいつもの調子で呟いた時、飛行帽を脱いだ二人の搭乗員がこちらに向かって近づいて来た。かけよるなぎこに二人も駈け足になる。
「カンタ、あれがキミのステディか?早く行けよ」
「ああ...」スティーヴの問いに寛太は照れたような笑いで応えた。
かけ寄って来たなぎこは寛太の前で足を止め、ゆっくりと寛太の顔を眺めた。
「寛太さん...生きてたのね...」
「ええ。なぎこさん..それに皆..こんな所で何やってたんスか?」
なぎこはその呑気な調子の寛太に少し怒ったように言った。
「もう!何言ってるんですか!みんな大変だったんだから...」
そう言いながら手を上げて寛太の胸を叩くような仕草を見せる。
「お帰りなさい...」
しかしそう言って寛太の胸に飛び込んで行った。
「生きてたのね...」
「ええ...途中の島に不時着して...大怪我してしばらく記憶喪失だったんス...」
「そうなんですか..大変だったのね...でも本当に良かった...」
「なぎこさん...只今生きて帰りました...」
寛太はそう言ったままなぎこを抱きしめた。
皆が見守る中いつまでも。
------------------------------------------
8月18日
少し時間を遡ってこの日早朝
シオン達の居る村を離れた後、寛太がスティーヴから持ちかけられた話はこうだった。寛太が恋人と生き別れになった事を知り、協力するとスティーヴは言う。
彼の話では旧日本軍基地接収の事前に調査に行った部隊からの連絡で、九州の基地にはまだ程度の良いゼロ・ファイターが残っている場所がある事が判っている。寛太を米軍の輸送機に乗せるからそこまで行き、ゼロに乗ってなぎこの所に飛べと言う。自分は護衛用のP-51で九州まで飛ぶ。米軍機が誤って攻撃して来ると危険だからそこからなぎこの所まで自分のP-51で一緒に飛んで行くと言う。しかしスティーヴは、真の目的は熟練したパイロットが乗るゼロ・ファイターと模擬空戦で構わないから最期に一戦交えたい、という事を白状した。彼はゼロファイターとそれを手足のように扱う熟練したパイロットに畏怖の念を抱いており、最期に今の乗機P-51で一緒に飛んでみたいと言う。今までどこかにまだ状態の良いゼロファイターと熟練パイロットが残っているのではないかとその機会を伺っていたのだった。一刻も早くなぎこの元へ戻りたい寛太はその条件を受けた。午前中の早い時間に九州南部の基地に米軍と共に飛来した寛太は、スティーヴと示し合わせて二人だけで由布がいる基地まで行く事となり、基地上空に到達した所で模擬空戦に入る事を約束していたのだった。
------------------------------------------
同日夕刻
寛太はひさしぶりに基地や黒猫館の面々と夕餉を共にした。スティーヴは最終的に寛太の乗るゼロ・ファイターに敗れたもののすっきりとした表情を見せ、寛太は出撃後の戦闘と墜落、奄美大島に漂着し、記憶喪失に陥っていた所を親切な家族に助けてもらった事を語ったが、その時寛太の横に座っているなぎこよりも由布の方が先に涙を流し、皆の笑いを誘った。
「親切に看病してくれてたナースはどうだった?」
途中スティーブが悪戯っぽく茶々を入れた。
「ああ、適切な処置と看護をして頂いたおかげで助かったんだ。とても感謝している」
寛太は軽くいなしながらスティーブを睨みつけた。
「本当はそれだけじゃないんだろ?」
とスティーブは構わず続けた。
「馬鹿言うな。何ならもう一回やるか?」
「No,no,そうかいカンタ、そういう事にしといてやるよ...」
「勘弁してくれよ..なぎこさん、俺何も...」
「それ所じゃなかったんでしょ?信用していますから...」
なぎこはそんな二人の様子を眺めながら久しぶりに心の底から笑った。
宴も盛り上がって来た頃、寛太は特攻出撃の前夜、なぎこに歌った歌を今夜は全員の前で歌った。スティーヴは盛んにまこといさこに「Pretty!」を連発していたが、まこに肘鉄を喰らった後P-51の機体に興味を示した須倉に捕まり、飛行機のエンジンを開けて一晩中かかって油まみれになり解説させられた。辟易したスティーブは今度進駐軍の軍属のメカニックとして働けるよう口利きしてやるからと約束した。残りの人員を救出しぽとまんは、土蔵の荷物の整理をすると言い残し店へ戻って行った。樋渡は本当は飛行機の操縦にはまるで自信が無かった事を白状し、父の消息を求めて大陸に渡ると言い残し去って行った。兵士達の反乱未遂があった事、由布はこの事は内密に処理すると言い、寛太とスティーヴの話を聞くうちに自決という選択は思い留まったようであった。
そしてなぎこ達はもう少し黒猫館に居ようか、話し合った。
その夜。黒猫館の寝床でいさこはまこに話かけていた。
「ねえ、まこちゃん...何でなぎこさん今日は一緒に私達と寝れんの?」
「何言うてんねん..野暮な事言うんやないで..」
「ええ..何で?何でなん?」
「もうええから。じゃ。寝るで」
「お腹空いたなぁ...でももう何も無いよね...」
「あのな、いさこちゃん」
「え、なにかあんの?」
「さっき...スティーヴからチョコレート貰ったんや」
「あ〜ズルいや〜ん..私にも頂戴..」
「ほれ。もう一つあるんや」
「ありがと!」
と言ったかと思うといさこは貰ったチョコレートを掴んで寝床から跳ね起き、駆け出した。
「あっ。どこ行くんや!」
「なぎこさんにもあげるんや。いいやろ?」
「やめとき、今行ったらあかんて!」
不意をつかれて慌てたまこはいさこを追いかけ階段を上がったところで、窓の外を眺めているいさことなぎこを見つけて立ち止まった。
「あれ?なぎこさんもこんな所で何を...寛太さんは?」
「ええ、凄く疲れちゃっててすぐに寝ちゃったわよ...大怪我してたし..」
「そうなんやて、まこちゃん。なんで行っちゃだめやったの?」
いさこは不服そうに言う。
「やから..それは..」
まこが言葉に詰まったその時。窓から見えるあの土蔵に何かを感じた。
「あ..」
「まこちゃんも聴こえた?今の...」
「うん...なぎこさん。かすかに...」
「ピアノの音..」
いさこも既に気付いておりなぎこと聞き耳を立てていたらしい。
「きっとじじさんが弾いてるのよ..」
なぎこの言葉にまこといさこも頷く。三人の耳には確かに聴こえた。誰も居るはずのない黒猫館の土蔵から聴こえるピアノの音。その音になぎこ達は懐かしさと暖かさを感じていた。この旋律は寛太の出撃を見送った後、沈みゆく水の中から空を見上げた時の「水の空」の印象と似ている...しかし今は明確に未来への灯火を感じる事が出来る。敗戦国の戦後は厳しい生活が待っているだろう。しかしこれから何があってもしっかりと生きて行こう...私はもう一人ではないんだから...
-完-
----------------------------------------------------------------------
この物語はフィクションであり、登場する人物や団体の名称等は実在のものとは一切関係ありません。
とはいえ、ユーザーの方でモデルが明白である方も多々いらっしゃいました。凪さん、kankanさん、yuuichikさん、potman2さん、YsaeKさん、macoさん、ひわたしさん、Asakoさん、SCRAPSさん、シオナさん。そして裏話等でも御世話になったkimuxさん、なりさん、junさん(ホントすみません)、柊ようさん、この場をお借りしてお詫びすると共に御礼申し上げます。私の勝手な振る舞いによる御出演、大変申し訳ありませんでした。とても言葉を尽くしても言い足りる事ではありませんが、本当にどうもありがとうございました。
エンディングテーマはやはりこちらでしょう。「水の空に眠る」/yuuichikさん
あとがき
皆様。無事最終回を迎える事が出来ました。最後までご愛読頂き誠にありがとうございます。元はといえば校長先生の楽曲のコメント欄にヒントを頂き触発され、気付いた時にはもうMacBookのkeyを叩いていました。第一話(といっても校長先生の文章コピー箇所多かったですが)を一気に書き上げ、掲示した後に主人公のモデルとなるお二人に何も言ってない事に気付いて冷や汗かいたのも今となっては良い思いでです(ホントすみません)。事後承諾という事にしてそのまま進めましたが、途中で予想以上にコメント頂いたりした中から更にインスピレーションが増幅され、ここまで続けて来る事が出来ました。当然これは私一人の力で出来る事ではなく、このGBUCというサイトに巡り会い、ユーザーの皆様に出逢えたおかであると本当に感謝しています。皆様本当に御世話になりました。本当にどうもありがとうございました。
また、落ち着きましたらあとがきのあとがきや外伝などガレブロの方に載せようかとも考えております。今後とも「zizi」の作品、楽曲等掲示して参りますのでおヒマありましたら御覧頂ければ嬉しく思います。それではまたこれからも宜しく御願い致します!
バックナンバーにタイトルを付けて並べてみました。下記より御参照頂ければと思います。
第一話 寛太の出撃
第二話 出逢い
第三話 DogFight!
第四話 司令官の憂鬱、その過去
第五話 まこの外出
第六話 笹子
第七話 いさこの鼓
第八話 ぽとまんの傷跡
第九話 なぎこの回想夢
第十話 黒猫館の暑い日
第十一話 終戦後
第十ニ話 Live and let live
第十三話 激闘黒猫館
絶望的な危機の中、銃を持ち立ちはだかるまこ、制止しようとするなぎこ、そしていさこの三人娘に運命は委ねられる...
それではいよいよ最終回です!それではどうぞ!
かんなぎの空かんなぎの空 〜「水の空に眠る」main title/zizi
挿入歌にこちらをどうぞ。戦場で死にたい猫はいない/TheKandersさん
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「水の空に眠る」
最終話 八月の水の空
1945年8月18日 海軍航空隊基地
<寛太さん、助けて!>
その時…耳の良いいさこが最初に気付いた。飛行機の音が近づいて来る…
「栄の音…と、もう一つ…近づいて来る...」
いさこの耳はゼロ戦の発動機音を正確に聞き分けた。しかしもう一機いるという。皆が疑問を口にする間もなくエンジン音が近づきいて来たかと思うと二機の飛行機が横並びの状態で皆の頭上をかすめる程の超低空で通過した。一機は零戦、もう一機は銀色に輝くスマートな機体でアメリカ軍のマークが翼に見えた。
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同時刻
匂橋付近の河原
ぽとまんは黒猫館で気絶させた兵隊達が簡単には動けない用に服を矧ぎ裸にした上で縛り上げ、その体を河原に転がしている最中に銃声とそれに続く飛行機の爆音を聞いた。
「あれ?樋渡の奴大丈夫かな..しかし何でいま頃零戦が..どっから来たんだ?しかも米軍機と一緒に?」
異変を感じ、ちょっと基地に戻ってみようと思い、トラックを走らせた。基地に戻ると何か慌ただしい。抗戦派と思しき二人の兵隊が残った基地の人間を軟禁しているらしい建物の前で言い合いをしていた。仲間が倒れるのを見て、逃げるか留まるかで言い争っているようだった。
「お二人さん、御苦労様です。只今お仲間は河原で伸びてますよ」
「何だ貴様?」と銃を向ける、と同時にぽとまんの当て身を受けていた。振り向きざまにもう一人を見るともう遠くまで慌てて逃げて行くのが見えた。伸びた兵隊の腰には軟禁場所の営倉の鍵が付いている。すぐに扉を開放すると、中の者達は口々に礼を言ったがぽとまんはちょっと急ぐから、と言い残し滑走路の方へ向かった。
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同時刻
海軍航空隊基地
「P-51だ!」
爆音に目覚めた由布と樋渡がほぼ同時に叫んだ。皆あっけにとられて上空を眺める。その時「ゴンッ」と音がして拳銃を手にしていた兵士が倒れ込んだ。傍らには須倉がスパナを持って立っている。
「須倉さん...大丈夫だったの?」
なぎこは安堵の表情を浮かべて言った。
「いや、ビックリしました。少し痛かったですが、背中に背負ってた工具達が私を守ってくれましたよ」
須倉は穴の開いたリュックを降ろして苦笑いした。
上空に目を向けると二機は一式陸攻の上を通り過ぎると左右に別れ空中戦を始める。それはまるで危険な舞踏のように見えた。その場にいた全員が何故今頃、日米の戦闘機が空中戦を?という疑問を忘れて手に汗握って見守っていた。速度に勝るP-51が零戦の後方に付いた、かと思うと零戦は機を左右に滑らせて照準から逃れようとする。しかしP-51の軽快さはいつまでもそれを許さなかった。すぐ後方近くまで接近したかと思うと零戦は逃れるように上昇を始め、P-51は自信を持ってそれを追うような機動を見せた。
「ダメだ!零戦の方が多少旋回半径は小さくても...」
「P-51は速度が速いだけでなく運動性能も良いんです!」
由布と樋渡が同時に叫んだその時。宙返りの頂点付近に昇った零戦がふらりとゆらめいたように見えた。失速し、横滑りして斜め旋回をした...かと思うとそれは最小回転半径でP-51の後ろ上方から降下し、下から見ている者にとっては衝突しそうに見えた程接近した。零戦がP-51の後方の位置ををしばし占有した時。
「左捻り込みだ..」樋渡が言ったそれは、零戦の空戦技術の中でも熟練した者だけに可能な機動である。
「あれが出来るのはこの基地では一人しか居なかった...」由布はまさか、と言いたげに呟いた。
P-51はその直後「参った」と言うように翼を振り、その後二機はゆっくりと旋回した後、脚を出して着陸体制に入った。
「...」
まこは呆然とした表情で小銃を握ったままその場に座りこんでいる。なぎこといさこを先頭に皆駆け寄って来た。
「まこちゃん、もうこれいいでしょう?手を放して...」
なぎこは力無く座りこんでいるまこの手から小銃を取り、由布に渡した。
「まこちゃん、大丈夫?」
いさこは慰めるように声をかけた。
「なぎこさん...いさこちゃん..ごめんなさい..私..」
「大丈夫よ、もう...一生懸命だったんだよね...」
「もう終わったんや...もう大丈夫やから」
「うわーん。。。」
まこはこれまで堪えて来た物を一気に吐き出すように泣いた。三人は肩を寄せ、声を出して泣いた。
二機の戦闘機は機体をゆっくりと一式陸攻に寄せ、皆が見守る中搭乗員が降りて来た。P-51からはアメリカ人が苦笑いし、そして零戦からは日本人らしき搭乗員がこちらを見て大声を上げた。
「あれ..おーい!皆こんな所で何してるのぉ!」
その声を聴いたなぎこは瞬間心臓が止まるかと思う程驚いた。聞き覚えのある声...忘れもしない、寛太だった!なぎこは目を凝らして零戦から降りて来た搭乗員を見つめた。
「か、寛太さんなの?!」
「あれ?こいつぁ...寛太さんかい?」
なぎこが叫び、いつの間にか皆の中に混じっているぽとまんがいつもの調子で呟いた時、飛行帽を脱いだ二人の搭乗員がこちらに向かって近づいて来た。かけよるなぎこに二人も駈け足になる。
「カンタ、あれがキミのステディか?早く行けよ」
「ああ...」スティーヴの問いに寛太は照れたような笑いで応えた。
かけ寄って来たなぎこは寛太の前で足を止め、ゆっくりと寛太の顔を眺めた。
「寛太さん...生きてたのね...」
「ええ。なぎこさん..それに皆..こんな所で何やってたんスか?」
なぎこはその呑気な調子の寛太に少し怒ったように言った。
「もう!何言ってるんですか!みんな大変だったんだから...」
そう言いながら手を上げて寛太の胸を叩くような仕草を見せる。
「お帰りなさい...」
しかしそう言って寛太の胸に飛び込んで行った。
「生きてたのね...」
「ええ...途中の島に不時着して...大怪我してしばらく記憶喪失だったんス...」
「そうなんですか..大変だったのね...でも本当に良かった...」
「なぎこさん...只今生きて帰りました...」
寛太はそう言ったままなぎこを抱きしめた。
皆が見守る中いつまでも。
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8月18日
少し時間を遡ってこの日早朝
シオン達の居る村を離れた後、寛太がスティーヴから持ちかけられた話はこうだった。寛太が恋人と生き別れになった事を知り、協力するとスティーヴは言う。
彼の話では旧日本軍基地接収の事前に調査に行った部隊からの連絡で、九州の基地にはまだ程度の良いゼロ・ファイターが残っている場所がある事が判っている。寛太を米軍の輸送機に乗せるからそこまで行き、ゼロに乗ってなぎこの所に飛べと言う。自分は護衛用のP-51で九州まで飛ぶ。米軍機が誤って攻撃して来ると危険だからそこからなぎこの所まで自分のP-51で一緒に飛んで行くと言う。しかしスティーヴは、真の目的は熟練したパイロットが乗るゼロ・ファイターと模擬空戦で構わないから最期に一戦交えたい、という事を白状した。彼はゼロファイターとそれを手足のように扱う熟練したパイロットに畏怖の念を抱いており、最期に今の乗機P-51で一緒に飛んでみたいと言う。今までどこかにまだ状態の良いゼロファイターと熟練パイロットが残っているのではないかとその機会を伺っていたのだった。一刻も早くなぎこの元へ戻りたい寛太はその条件を受けた。午前中の早い時間に九州南部の基地に米軍と共に飛来した寛太は、スティーヴと示し合わせて二人だけで由布がいる基地まで行く事となり、基地上空に到達した所で模擬空戦に入る事を約束していたのだった。
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同日夕刻
寛太はひさしぶりに基地や黒猫館の面々と夕餉を共にした。スティーヴは最終的に寛太の乗るゼロ・ファイターに敗れたもののすっきりとした表情を見せ、寛太は出撃後の戦闘と墜落、奄美大島に漂着し、記憶喪失に陥っていた所を親切な家族に助けてもらった事を語ったが、その時寛太の横に座っているなぎこよりも由布の方が先に涙を流し、皆の笑いを誘った。
「親切に看病してくれてたナースはどうだった?」
途中スティーブが悪戯っぽく茶々を入れた。
「ああ、適切な処置と看護をして頂いたおかげで助かったんだ。とても感謝している」
寛太は軽くいなしながらスティーブを睨みつけた。
「本当はそれだけじゃないんだろ?」
とスティーブは構わず続けた。
「馬鹿言うな。何ならもう一回やるか?」
「No,no,そうかいカンタ、そういう事にしといてやるよ...」
「勘弁してくれよ..なぎこさん、俺何も...」
「それ所じゃなかったんでしょ?信用していますから...」
なぎこはそんな二人の様子を眺めながら久しぶりに心の底から笑った。
宴も盛り上がって来た頃、寛太は特攻出撃の前夜、なぎこに歌った歌を今夜は全員の前で歌った。スティーヴは盛んにまこといさこに「Pretty!」を連発していたが、まこに肘鉄を喰らった後P-51の機体に興味を示した須倉に捕まり、飛行機のエンジンを開けて一晩中かかって油まみれになり解説させられた。辟易したスティーブは今度進駐軍の軍属のメカニックとして働けるよう口利きしてやるからと約束した。残りの人員を救出しぽとまんは、土蔵の荷物の整理をすると言い残し店へ戻って行った。樋渡は本当は飛行機の操縦にはまるで自信が無かった事を白状し、父の消息を求めて大陸に渡ると言い残し去って行った。兵士達の反乱未遂があった事、由布はこの事は内密に処理すると言い、寛太とスティーヴの話を聞くうちに自決という選択は思い留まったようであった。
そしてなぎこ達はもう少し黒猫館に居ようか、話し合った。
その夜。黒猫館の寝床でいさこはまこに話かけていた。
「ねえ、まこちゃん...何でなぎこさん今日は一緒に私達と寝れんの?」
「何言うてんねん..野暮な事言うんやないで..」
「ええ..何で?何でなん?」
「もうええから。じゃ。寝るで」
「お腹空いたなぁ...でももう何も無いよね...」
「あのな、いさこちゃん」
「え、なにかあんの?」
「さっき...スティーヴからチョコレート貰ったんや」
「あ〜ズルいや〜ん..私にも頂戴..」
「ほれ。もう一つあるんや」
「ありがと!」
と言ったかと思うといさこは貰ったチョコレートを掴んで寝床から跳ね起き、駆け出した。
「あっ。どこ行くんや!」
「なぎこさんにもあげるんや。いいやろ?」
「やめとき、今行ったらあかんて!」
不意をつかれて慌てたまこはいさこを追いかけ階段を上がったところで、窓の外を眺めているいさことなぎこを見つけて立ち止まった。
「あれ?なぎこさんもこんな所で何を...寛太さんは?」
「ええ、凄く疲れちゃっててすぐに寝ちゃったわよ...大怪我してたし..」
「そうなんやて、まこちゃん。なんで行っちゃだめやったの?」
いさこは不服そうに言う。
「やから..それは..」
まこが言葉に詰まったその時。窓から見えるあの土蔵に何かを感じた。
「あ..」
「まこちゃんも聴こえた?今の...」
「うん...なぎこさん。かすかに...」
「ピアノの音..」
いさこも既に気付いておりなぎこと聞き耳を立てていたらしい。
「きっとじじさんが弾いてるのよ..」
なぎこの言葉にまこといさこも頷く。三人の耳には確かに聴こえた。誰も居るはずのない黒猫館の土蔵から聴こえるピアノの音。その音になぎこ達は懐かしさと暖かさを感じていた。この旋律は寛太の出撃を見送った後、沈みゆく水の中から空を見上げた時の「水の空」の印象と似ている...しかし今は明確に未来への灯火を感じる事が出来る。敗戦国の戦後は厳しい生活が待っているだろう。しかしこれから何があってもしっかりと生きて行こう...私はもう一人ではないんだから...
-完-
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この物語はフィクションであり、登場する人物や団体の名称等は実在のものとは一切関係ありません。
とはいえ、ユーザーの方でモデルが明白である方も多々いらっしゃいました。凪さん、kankanさん、yuuichikさん、potman2さん、YsaeKさん、macoさん、ひわたしさん、Asakoさん、SCRAPSさん、シオナさん。そして裏話等でも御世話になったkimuxさん、なりさん、junさん(ホントすみません)、柊ようさん、この場をお借りしてお詫びすると共に御礼申し上げます。私の勝手な振る舞いによる御出演、大変申し訳ありませんでした。とても言葉を尽くしても言い足りる事ではありませんが、本当にどうもありがとうございました。
エンディングテーマはやはりこちらでしょう。「水の空に眠る」/yuuichikさん
あとがき
皆様。無事最終回を迎える事が出来ました。最後までご愛読頂き誠にありがとうございます。元はといえば校長先生の楽曲のコメント欄にヒントを頂き触発され、気付いた時にはもうMacBookのkeyを叩いていました。第一話(といっても校長先生の文章コピー箇所多かったですが)を一気に書き上げ、掲示した後に主人公のモデルとなるお二人に何も言ってない事に気付いて冷や汗かいたのも今となっては良い思いでです(ホントすみません)。事後承諾という事にしてそのまま進めましたが、途中で予想以上にコメント頂いたりした中から更にインスピレーションが増幅され、ここまで続けて来る事が出来ました。当然これは私一人の力で出来る事ではなく、このGBUCというサイトに巡り会い、ユーザーの皆様に出逢えたおかであると本当に感謝しています。皆様本当に御世話になりました。本当にどうもありがとうございました。
また、落ち着きましたらあとがきのあとがきや外伝などガレブロの方に載せようかとも考えております。今後とも「zizi」の作品、楽曲等掲示して参りますのでおヒマありましたら御覧頂ければ嬉しく思います。それではまたこれからも宜しく御願い致します!
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zizi | 投稿日時: 2013-4-22 12:31 更新日時: 2013-4-22 12:31 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
凪さんへ 凪さま
ついに書き終えてしまいました...安堵感とともに少し寂しい気もしたりしています。凪さんには本当に勝手に下敷きにしてしまって申し訳なく思うと共に本当に感謝しています。どうも申し訳ありませんでした。そして本当にありがとうございました。 なるほどハリウッドでは売れない映画ですね、そうかもしれませんね。少し毒を吐きますと個人的にはありがちな軍部=強引に戦争に引き込んだ悪玉で悲劇的に終わって自省を促す...的な展開にはしたくなかったりしてました。かと言って自分もこんな大円団的終わり方に持って行けるとも予想してませんでした(何とも無責任な...)。ラストの展開を思い付いたのは半分位書き終えた所だったでしょうかね... >寛太となぎこは会えないまま、すれ違ったまま時を重ねる。 凪さんには少し話してしまいましたが、これですよね〜。当初のアイデア。最初に思い付いた時はそんな感じだったんですよ。イメージは「愛と哀しみのボレロ」とかタイトル忘れましたけど松島菜々子が三世代の女性を演じたドラマのやつ。壮大は物語に...という構想もありましたがちょっと私にはやはり無理っぽい。ただこの時のアイデアは少しとっといていつか外伝で「その後」を書くかも知れません。(書かないかも知れません:笑) 性格設定なんかはですね、これはもう楽しみながら書いてました。三人娘+Asakoさんはですね、確かにちょっと違うかもしれませんね、実際にどうなのかは私も良く解ってないでしょうから...まあ物語上の演出と言う事で御容赦下さいませ。あ、でも凪さんもオッサンなどと仰ってありますが「なぎこ」に負けず劣らず充分魅力的な方である事は間違いないでしょうから。あ、ここで再度申し上げますがAsakoさんはキツい方ではないです。とても優しい方です皆様誤解の無きよう御願い致します〜(笑) あと最後になりましたが凪さんにも幸福のお裾分けとなりますように願っております! |
凪 | 投稿日時: 2013-4-21 17:07 更新日時: 2013-4-21 17:10 |
ドラえもん 登録日: 2006-11-11 居住地: 投稿数: 1270 |
Re: zizi通信 17「水の空に眠る」最終話 「kankanさん...生きてたのね...」
kanさんのご登場が久しぶりなのでちょっと言ってみたかった 私も決してひとのことは言えませんが。 zizi監督、ついに完結しましたね。おめでとうございます。 悪人のいない、死ぬシーンも濡れ場もない、誰も不幸にならない、素晴らしい物語。ひわたしさん風に言うと「ハリウッドでは絶対に売れない良い映画になる」物語ですね。 初め、こんな具合に大団円を迎えるとは思っていませんでした。ziziさんにはいつかお話ししたんですが、 寛太となぎこは会えないまま、すれ違ったまま時を重ねる。 後ろ髪引かれながらも、それぞれの生活を始める。 そして数十年の時を経て、互いの子?孫?の世代同士が出会い、恋をする。 非常に穏やかな気持ちで再会する、連れ合いをなくしたふたり。 というふうに先を予想していました。 でも、その時ziziさんに「そうではない」というお返事を伺ってから、それじゃ戦争が終わったら再会できるんだろうなと思うようになったので、なんとなくあたりをつけてはいましたが^^ この先、この二人が思い合ったまま末永く添い遂げていけるかというと、それはわかりません。些細なことで行き違い、歯車が噛み合わなくなっていき、破綻するかもしれません。日々の生活に追われて、互いに不満を募らせ、しまいには憎み合うのかもしれません。日常は物語と違い、美しい瞬間の後もずっと続いていきます。美しいまま続くという保証はどこにもありません。だからこそ物語はその先を描かないのでしょうけれど。 それでもこの二人には幸せに過ごしてほしいものだと思います(っても、生きてればかなりのご老人ですよね)。 「なぎこ」は、私とは似ても似つかぬ、なんだか出来過ぎた感のある女性ですが、それでも私を下敷きにしたと思われる人物が幸福になるのは、とても嬉しかったです。願わくば私も少し幸福のお裾分けを頂きたいものです。あ、でも、それにはなぎこみたいに素直で健気な性格が必要か。中身がオッサンじゃだめだ…orz 皆さんも言ってらっしゃいますけど、登場人物の性格がうまく描かれていますね。なにげに「じじ」がいい人に描かれていて面白かったり、「樋渡」の行動のかっこよさに唸ったり、「ぽとまん」のいい味にニヤリとしたり。「須倉」の職人気質なところ、「校長」の懐の深いところ。そしてそれぞれ、多分、普段の書き込みと共通するものがあって、さすがは妄想族、妄想使いだと思いました。 あ、でも三人娘+Asakoさんは現実とのリンクがかなり薄いですよね。 それでは、監督、お疲れ様でした。 ありがとうございました。 |
zizi | 投稿日時: 2013-4-20 12:12 更新日時: 2013-4-20 12:12 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
kankanさんへ パーティももうすぐ終わろうかとしている頃。会場ではwebで流すため密かに撮影していた「寛太&スティーブ、寛太の故郷を飛ぶ」編を上映していた。
http://gbuc.net/modules/d3diary/detail.php?bid=163&com_id=167959&com_rootid=167959&com_mode=thread&#comment167959 上映が終わると盛大な拍手歓声が起こる。会場が盛り上がってる中zizi監督はそっと一人ロビーに出て、物思いに耽っていた。 zizi<寛ちゃんは今頃どうしているだろうか...案外すすきのでスティーブと盛り上がってたりして...> その時、戸田マネージャーが慌てて駆け寄ってくる。 戸田「監督!寛太から先ほど連絡があって...」 zizi「えっ!ど、どうしたの?何て?」 戸田「それがあの。二次会の会場で待ってるからって」 zizi「そう。わかった。」 今夜は家に帰れそうに無い...覚悟を決めたzizi監督であった。 --------------------- kankanさん、大変な時期に駆けつけて下さりどうもありがとうございます。ちょっと間を空けようか、とも思ったのですが、これが終わらないと自分も中々他の事が手につかず、先を急いでしまった感が無きにしもあらずで大変申し訳無く思っております。しかししかし最後の最後にスティーブと共に飛来!このサプライズにとても嬉しく思っております!kankanさんとのアドリブ的応酬は私も勿論初めての体験でとてもエキサイティングでした。心より御礼申し上げます。 |
zizi | 投稿日時: 2013-4-20 12:09 更新日時: 2013-4-20 12:09 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
Re[2]: 撮影終了後 三好女史を弄ってしまってどうもすんません!ちょっと魅力的なキャラなもんですから。
アラサーですね、そんな感じです。メールのチェックをいちいちやってるのも仕事を完璧にこなそうとしている気持ちの現われでしょう。アンチスレ立てるのも現状に満足せず精進せよ、との思いからついついやってしまうのかも(笑)。まあまた機会があったらムリヤリ登場して頂くかもしれませんのでその時はまた宜しくお願いします。 いや、私は現実には全くモテませんよ文中のような気障な台詞など言えませんしスナックなんか行ってもとても大人しいです。まあここで色々書いてるのも○チャンとかで威勢の良い事書いてる人が実は引きこもり気味であったりとかそんな感じと近いのかもしれません(爆) >須倉への負の執着を逸らして... がんばります! |
kankan | 投稿日時: 2013-4-19 21:49 更新日時: 2013-4-19 23:39 |
TheKanders 登録日: 2008-1-14 居住地: 投稿数: 2002 |
「水の空に眠る」の最終話外伝 間に合った?
寛太「スティーヴ。これが北海道さ」 スティーヴ「オゥ。コンナトコニヒトガ住ンデイルッスカ」 寛太「っすかじゃねぇよ。何言ってやがる。低空飛行すっぞ。付いて来い」 スティーヴ「オゥ。ソレハイケマセン。規定外デッス」 寛太「うるせい。自由の国の毛唐が何言ってやがる」 スティーヴ「オゥ。ムチャクチャデス」 グオーンと急降下。 寛太「これがオレが育った川さ。一気にユウバリ岳まで行くぞ」 スティーヴ「オゥ。ワンダフル。コレガ寛太の故郷。見事ニ何ニモナイ」 寛太「何もない美しさ。石や砂の文化じゃない。森の文化さ。ヒトがいなくても豊かな自然がある」 スティーヴ「オゥ。アレハ何ですか?」 寛太「炭鉱だ。お前の国に勝利するために、ここでエネルギーを掘り出したってわけさ」 スティーヴ「ユウバリ」 寛太「ここがお前の国に破壊される前に、戦争が終わった」 スティーヴ「アレガ、ボタ山」 寛太「ズリ山さ。空から見ると蟻の巣みたいだ」 スティーヴ「オーマイガッド」 寛太「スティーヴも米国で炭鉱を見たことあるだろ?」 スティーヴ「アリマセン」 寛太「あんたは、何でこの戦争に参加したん?」 スティーヴ「国ノタメ。。。」 寛太「オレは、この自然のため、母のため。身内、知人、そして、ラブリーな人のため。国ではない。オレは、強制とか誘導とか侵略ってのが大嫌いなんさ」 スティーヴ「。。。」 寛太「ありがと。何か、オレ。死んでもいいや。オレはあんたの兄を殺しちゃったんだよなぁ。撃ってくれ。夕張岳で撃沈されたら、もう望むことない。スティーヴ。撃て。今。。。」 スティーヴ「オゥ。ノー。話ガ違ウッス。私ハ寛太ガ美シイモノを見セルト言ウノデ、北経路ヲ無理矢理、申請シタデス。アナタヲ殺スタメジャナイ。ソシテ、寛太ニハ生キテモライタイ。正式ニ勝負ガシタイ。デモ、ココデハナイ」 寛太「スティーヴ。実はもう生きる自信がないんだよ。オレは記憶が戻って、色々と分かってきて、生きている存在の資格じゃないってさ。誰のためにも生きられない。ただの厄介者になるだけ。もう、死んでいるのさ。だからって、自分の頭に銃口も当てられない。まったく情けない。頼む。殺してくれ。殺す権利はユーにある」 スティーヴ「ノ、ノ、ノ、ノ、ノー。寛太。アナタヲ殺シカッタラ、モウ、殺シテマスデス。バッド、ワタシハアナタヲ殺セナイ。デモ、勝負ガシタイ。オゥ。ソウソウ。オリンピック。Do you understand? ワカリマスカ?」 寛太「勝負はいいだろ。でも。スティーヴ。オレはいろんな悲惨な死を見てきた。そして、多くのヒトを殺した。アンタの兄さんまで殺してしまった。」 スティーヴ「ノ、ノ、ノ、ノ、ノー。寛太。アナタガ今、生キテイルノハ、必要ダカラダ。生カサレテイル。ナラバ寛太。私ハアナタヲ殺サナイ。ヒトリデ死ンデミテクダサイ」 寛太「よし、わかった。飛行機乗ってりゃ、死ぬのは簡単さ。墜落すればいいんだから。見てろ、スティーヴ」 寛太、急降下する。 スティーヴ「オウ! ノー。寛太」 グォォォォオオオオオン。 寛太「さよなら。おかぁさん。生きてる我が人。な・・・」 っと。寛太の視界に一軒の家が見えた。老婆が見上げていた。 寛太は、「なんて日だ」 と叫びながら急上昇した。 スティーヴ「オゥ。寛太。ユア、クレイジー&パーフェクト」 また、オレは。。。オレは。危なかった。 寛太「スティーヴ。あんたに負けた。九州に向かおう」 スティーヴ「OK。。。牧場」 寛太「ぎゃははっ。。。それ、平和な時代が来たら、流行りそうだ」 スティーヴ「ホワイ?」 ----------------------------------------------------------------- っとさ。 私は今、完璧に無能でっす。 ziziさん、ほんと、すんまへん。 企画だけなら、山ほどあるさっささのっさ。ねっ。 ひわたしは、カッコよすぎでキライ。今度会ったら卍固め。」 |
SCRAPS | 投稿日時: 2013-4-19 21:26 更新日時: 2013-4-19 21:26 |
ターミネーター 登録日: 2007-1-27 居住地: 宮崎市 投稿数: 1424 |
Re: 撮影終了後 うちの三好が大変失礼をば致しましたwww
どんなオチが付くのかと思いながら拝読しましたが、そういうオチでしたか。 それにしてもzizi監督なかなか積極的ですね。実際にはおモテになるのでは? 次回作でぜひ須倉を主役にと書いたのは、もちろんネタのためですので冗談ですよ。とは言ってもなりさんのお申し出は大変光栄ですし、やぶさかでないのですが、何しろ須倉が何かオイシイ思いをしそうになると、必ずマネジャー三好の暗躍によって本人の知らないところで握り潰されるという設定ゆえにどうなることでしょうか。(笑) 裏設定では須倉のメールはすべて三好を経由するように細工されていて、改ざんの上で送受信されていたりするようですw 須倉本人はそんなことにはちっとも気づかず毎日呑気に言いたい放題やりたい放題やっている間抜けな男という設定です。 三好女史も、毎日毎日小うるさい須倉への恨みつらみからか、2◯ゃんねるで須倉の悪評を流布してみたり、須倉がオイシイ思いをしそうになると全力で裏工作をしてみたりと、なぜそこまでやるのか不思議なくらい必死です。しかもこの頃は須倉をやり込めるくらいに強くなってきていて、ますます婚期が遅れそうです。(もっとも本人にその気があるのか無いのか定かでありませんけども) 多分アラサー女子なのですが、zizi監督にどうにかがんばってもらって須倉への負の執着を逸らして貰う必要がありそうですよ。(笑) 以上、すべてアホな妄想から生まれた話でした。 |
zizi | 投稿日時: 2013-4-19 21:21 更新日時: 2013-4-19 21:21 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
撮影終了後...その6 「あらま。これはこれはアサコさんとまこさん。どうされました?二人お揃いで...」
まこ「あはは。監督、残念でしたね」 zizi「いやいや別にいいんですよ...そのおかげでこうして今お二人とお話出来てるし。人生はチョコレートボックスのようなもの...」 アサコ「そのフレーズって某有名映画のパクりじゃないの」 zizi「す、すんません...ところでお二人で何を?」 まこ「実は、監督に紹介して頂いたあの曲、私もとても好きになって...それで。」 監督は先日出演者と雑談中、まこにアサコさんの「blue mirage」という曲がとても良いから聴いてみて下さいと勧めていたのだった。 アサコ「監督。アナタは青い蜃気楼を見た事があるのかしら?」 zizi「え?ええ...そういえばありますね...」 アサコ「それは...いつの頃?」 zizi「そうですね,..あれは中学生の頃でしたか...自分は一年生の頃図書委員でした。」 まこ「そうなんだ〜。それで?」 zizi「その時の委員長がとても素敵で...」 アサコ「でも委員長だから歳上なんでしょ?」 zizi「その通りです、しかし小柄な方でなんというか、こう...」 アサコ「可愛らしかった。しかしロクに話かける事も出来ずどうにもならなかった」 zizi「ええ、一年間の内に委員会の仕事の用件を数回話しただけです」 まこ「ふ〜ん...で。その時に?」 zizi「そうですね、三学期に入ってからでしたか...もうすぐ卒業するんだ、と思った時に...今思うと、どんなに望んでもどうにもならない事もある。しかしその中で折り合いを付けて生きて行くしかないんだ。そんな事感じた時に....青い蜃気楼を見た様な気がします」 アサコ「ziziさん。話が長くてクドイわ。まこちゃん、例の作品見せてあげて」 まこ「これ...です。」 見せられた一枚の絵。 zizi「ま、まこちゃん...こ...これは...」 まこ「どうですか?GBUCのziziさん。」 それを見た瞬間に監督は衝撃を受けた。初めてあの曲を聴いた時と同じくらいに。そうだ。私はGBUCのziziだ。そしてこの素敵な絵はあの時あの曲から受けた印象を見事に表現している...私が述べるいくつもの言葉よりもはるかに雄弁に。これは...やはり「音」にしなくては...頭の中には目まぐるしく音符が飛び交い始めた... |
zizi | 投稿日時: 2013-4-19 20:55 更新日時: 2013-4-19 20:58 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
ひわたしさんへ ひわたしさん。どうもありがとうございます。(ちょっと素でのレスとなっています)感激です。そのように感じて頂いて本当に嬉しい限りです。頂いたコメントを読みながら書き始めた最初の頃を思い出していました。色んな方からコメント頂いてそれに影響を受けてモチベーションが上がって新たな展開が生まれた。これは本当にそうです。
登場人物の人となりも...そうですね。皆さんのコメントや楽曲の雰囲気なんかからインスパイアされてキャラクターも出来ていったんです。potman2さんの以前動画で見た腕っ節の逞しさや、ひわたしさんのちょっとおどけた感じを持ちつつ颯爽とした「やるときゃやる」イメージ(違ってたらすみません)なんか。戦史や飛行機はそうですね。過去読んだ本なんかの受け売りの知識をかき集めて...という感じでしたか、しかし文章にするとなるともう一回読み返したりネットで事実関係を確認したりしながら筆を進めました。この道ではまだまだヒヨッコで...凄い人はホント凄いです。主な作戦の日時や艦隊の編成まで暗記してる人いますもんね(笑) あ、エリア88は私も読みました。空軍の傭兵部隊という設定も驚きましたが戦災孤児の少女を保護しようとして撃たれたグレッグの最期や、心を失ったシンのラストなど、印象的なシーンが多い作品でしたね。 文学の持つ力。活字というメディアはやはり一番想像力が掻きたてられるような気がします。他のメディアの進歩も凄いですが、今後も発展して行く事を願います。現実に影響を及ぼす可能性!自分の書いた物語がそのような力を持つ可能性か...考えてもいませんでしたがそんな可能性も確かにゼロではないんですよね。そう考えると...また何か思いついたら書いてみる...かもしれません(笑) あと、蛇足ですが今年は映画で、夏には「みずねむ」の前の物語を(勝手に関連づけるな)最大のライバル(だから勝手に..)、巨匠宮○監督が手掛けられた「風立ちぬ」や、年末には何となくテーマも被っている「永遠の0」が公開されるようです。もし御覧になられる方いらっしゃいましたら...ちょっとだけ「水の空に眠る」の事も思い出して頂だいたら嬉しく思います。 それでは...ちょっと会場に戻って来ます。ひわたしさん、本当にどうもありがとうございます! |
ひわたし | 投稿日時: 2013-4-18 22:41 更新日時: 2013-4-18 22:41 |
オビ=ワン 登録日: 2007-4-8 居住地: ロックンロールサーカス 投稿数: 1528 |
Re: zizi通信 17「水の空に眠る」最終話 いやーまずは脱稿おめでとうございます。そして大作を最後まで書ききった気概に尊敬の念を隠しきれません。誠にお疲れさまでした。
いつもの気まぐれでコメントでちゃちゃを入れた所、まさかこんなにストーリーに絡むキャラで登場させて頂けるとは…思いも寄りませんでしたハイ。 しかも俺はエリア88のカザマ・シンか?と錯覚するほどかっこよく描いて頂いて!ありがとうございます。 読んだ方皆さんの多くが感心しただろうと思いますが、文章の巧みさや時代考証、戦中史、戦闘機への造詣の深さには驚きました。やっぱり感情の起伏やキャラの思いつきだけではこれだけ書けないですよ。 そして、僕が特に感心した事をもう一つ。それは 登場人物の樋渡がした行動に「あー多分俺もその場面ではそうしたろうなー」って思わせられた事です。 つまり、なぎこを逃がせって言われたら多分僕も飛ばした事無い飛行機を飛ばそうとするだろうし、司令官にも「もういいやん、安全な場所に行こうよ。あんたがここで死ぬ事無いよ」って勧めたと思わせた点です。 ziziさんに実際会った事も無いのにここまで僕の心理を作品に描けるというのは普段の僕のコメント等のごく限られた情報から人の正確なり行動を推測するだけの優れた洞察力をお持ちなんだろうなーと心から思いました。 ホントの所は分かりませんよ。実際の僕は僕でも性格には把握しきれてないですし。でも実際の僕が、ある場面で、極限の状況で何かの判断を迫られた時に「みずねむの樋渡ならどうするだろう?」と思う可能性も有る訳で、その辺りが文学の持つ力であり、とてつもなく面白い所ですね。 空想であったはずの物語が現実に影響を及ぼすという。 あーもう、みんなグラス片手にわいわいやってて誰も聞いてないのでこの辺で。お疲れさまでした!皆さん心地よい4月の夜を! |
zizi | 投稿日時: 2013-4-18 19:35 更新日時: 2013-4-18 19:35 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
撮影終了後...その5 監督はこの機会を逃すまいと三好女史に話しかけた。
zizi「三好さんって相変わらず聡明で、お美しいですよね。結構モテるでしょ?」 三好「はい?どうしたんです急に。いえいえ、そんな事ありませんよ」 zizi「そうなんですか?でもほら、アイドル時代のファンとか」 三好「いえ...今じゃ全然誰も声かけてなんかくれませんよ..それはあの頃は...言い寄ってくる業界の人とかいましたけど、何か薄っぺらな人ばかりで...」 zizi「そうなんですか?じゃあ...私なんか立候補しちゃおうかな...どうです?こんなパーティ今から抜け出して...」 三好「ダメですよ!そんな事。パーティから監督が居なくなったら...」 zizi「ハハハ...そうですよね...失礼。冗談という事にしておいて下さい」 その時。三好女史は下を向いて少し寂しそうに呟いた。 三好「zizi監督...私の...だったら良かったのに...」 しかしよく聞き取れない。しかしその聞こえなかった言葉がいやがにおうにも監督の期待を煽った。 zizi「今...何と仰ったんです?」 三好「いや、何でもないです...恥ずかしいから...」 zizi「ちょっと気になって来ました...お願いです。教えて下さいよ...」 三好女史は仕方ない、と言いたげに監督に目を向け照れくさそうに言った。 三好「zizi監督が...私のお爺ちゃんだったら良かったのに...」 zizi「え。お、おじいちゃん...」 三好「ええ。祖父母は私が物心つく前に亡くなってたから..」 その時近くを樋渡氏とぽとまん氏が通りかかった。 三好「あっ!樋渡さんとぽとまんさん...カッコ良かったです〜!」 三好女史はzizi監督の存在など無かったかのようにそそくさと二人に駆け寄って行った。監督の心の中をひゅうっ...と風が吹き抜けたその時。 「はははっ。振られちゃってるやん〜」 「全くいい歳して...何やってるのかしら」 二人の女性の笑い声が聞こえた。誰にすっかり見られてたのかと振り返ると...美人歌手アサコさんとまこちゃん。 |
zizi | 投稿日時: 2013-4-17 20:24 更新日時: 2013-4-17 20:24 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
撮影終了後...その4 zizi監督が九九社長から秘密を聞かされほくそ笑んでいるとこちらに向かって来る二人組に気が付いた。
zizi「あっ。須倉さん、三好さん...はっ...」 須倉「やあ、お疲れ様です監督。」 三好「お疲れさまでした。」 zizi「三好さん、実は、あのピアノの事なんだけど...」 三好「ええ、須倉から聞きました、御自身で弾かれたんではなくて、打込みって言うんですね。」 zizi「実はそうなんです...私、弾くのはとてもヘタなので...」 三好「すみません、私こそ一方的に勘違いしちゃって...今はそんな事出来るんですね。」 須倉「キミのアイドル現役時代とは時代が違うんだから。一体いつの話...」 三好「お黙り。また2○ャンネルにアンチスレ立つわよ。」 須倉「はいはい。しかし監督、最終回良かったです。ううっ」 といきなり泣き出す須倉氏。 三好「監督、すみません須倉は最近少し涙腺が緩くて...この前なんか『美味しんぼ』で泣いたりとか」 zizi「ハハハ...しかし私も最近涙腺が弱くなって来たかな。この前もテレビ見てたら佳○さまの高校御卒業のニュースが流れてて...ああ、大きくなられたんだと...つい...須倉氏も案外トシだから仕方ないよね」 須倉「監督と一緒にしないで下さい...しかしほっといてくれ。うう...」 その時、少し離れた場所から「こんにちは」と声をかける女性がいた。先日チューリップを頂いたなり子さんだった。 なり子「皆様、お疲れさまでした。」 zizi「いえいえ、先日はどうもありがとうございました。」 なり子「いえそんな...実は私も今度小説を書いてみようかと思ったりして...でも難しいですよね..?」 zizi「いえ、始めてしまえば何とかなるんじゃないでしょうか...色んな方が助けてくれますし。」 なり子「そうですか...」 須倉「小説、いいじゃないですか。で、どのような?」 なり子「ハーレクイン風のラブロマンスなんかどうかな...って」 監督はこれは是非書いて欲しいと思った。もし自分がそんなの書いたとしたら全くモテた事が無いのできっと説得力が皆無に違いない。これは女性作家の方が良いだろう...などと考えていると須倉氏が口を開いた。 須倉「それは是非読んでみたいですね」 なり子「そうですか?...実はこんなストーリーはどうかなって...」 既に監督なんぞは目に入らない様子で話が弾んでいる。zizi監督は仲良さそうに談笑する二人のその姿を笑顔で見送った。よし、それでは私は今日は三好女史とゆっくり... -続く- |
zizi | 投稿日時: 2013-4-16 19:40 更新日時: 2013-4-16 19:40 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
撮影終了後...その3 キム「しかし監督。お疲れ様でした。大円団でしたね。」
zizi「教授、これまで本当にどうもありがとうございました...」 キム「いえ。しかしその役目ももう終えましたし...」 zizi「いやホント助かりました。ボランティアでこんな事御願いしてしまって」 キム「ええ、いや、まあ。」 zizi「キム教授は本当に素晴らしいお方です。尊敬してます」 キム「いやそれ程言わなくても...」 zizi「だからまた次何かあったらヨロシク御願いします!」 キム「え。何をそんなに言い切っているんですか」 zizi「いやほら、この世界浮き沈み激しいからもしも次回何かやった時ってほら、もしかしたら新しいデバイスが....」 キム「ああ、リナちゃんの泰然や狐火の...あっ九九社長だ」 そこへ九九社長がニコニコしながら近づいて来た。 九九社長「やあ、お二人さん、どうもお疲れ様でした」 zizi「....」 九九社長「どしたの?ziziちゃん」 zizi「あの。出るんですか?」 九九社長「え?何が?」 zizi「しらばっくれないで下さい。愛本五号機十や愛本五号機江洲です」 九九社長「う〜ん仕方無い... 実はね....」 二人に顔を寄せヒソヒソ... キム・zizi「ええ〜〜〜!!」 -続く- |
zizi | 投稿日時: 2013-4-15 19:47 更新日時: 2013-4-15 19:47 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
撮影終了後...その2 打ち上げパーティも始まり、会場では賑やかな雰囲気に包まれていた。zizi監督は真っ先に校長先生を見つけて近づいた。
zizi「校長先生。この度はどうもありがとうございます。校長先生のお告げはまさに天の啓示でした。」 yuu「いやいやそれ程でも。しかしお疲れ様でしたね。」 zizi「自分にこんな事出来るなんて思ってませんでしたからね...この歳になって初めての経験です」 yuu「何かにチャレンジするのに...年齢など関係無いんじゃないのかな..?」 zizi「そうですね...そう思ってはいました...思わなくちゃいけないと考えてましたが、実際に出来るもんなんだなあと...いえ、勿論自分一人の力ではありませんし、本当に皆様のおかげなんですがね」 yuu「ハハハ...そうですね。この場所があって本当に良かった...」 zizi「本当にそうですよね。校長先生の以外な一面も知る事が出来たし...」 yuu「そう、私も。貴方が案外変態そうなので安心しました。」 zizi「な。何を言うんです。それはコチラのセリフです。」 yuu「いいえ、監督には負けますよ」 zizi「いやいやそんなご謙遜を...校長先生の方が一枚も二枚も上手です」 yuu「なんですと。それは違う。監督の方がはるかに上を行く。」 その後ろをキム教授が通りかかる。 yuu・zizi「あ。キム教授。我々のどちらの変態っぷりが上回ってると思います?」 キム「え。....それは甲乙付け難い...」 続く...かも。 |
zizi | 投稿日時: 2013-4-14 23:03 更新日時: 2013-4-14 23:03 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
macoさんへ macoさん!
いや昨日のニュース見て驚きましたよ。 もしかしたら余震などあるかもしれませんから注意して下さいね。 (だってAsakoさんと同じ関西方面で同じ日にコメント頂いてるので (誠にありがとうございます!)コピペだと思われたくなかったので 無理矢理少し文体を変えて同じ事を書いています:何の言い訳か) ようやく終わりました...まこちゃんはmacoさんに出演を快諾頂いてどんどん キャラ設定が勝手に私の頭の中で膨らんで行きました。最後の見せ場、勝手に 演出させて頂きどうもすみませんでした!改めて御礼申し上げます。 どうもありがとうございます!(いや...コピペじゃないから...) 寛太のシリアスな演技ですね。そうですね。 彼は操縦桿を握っている時はとてもシリアスなんですが、飛行機を降りると ちょっとくだけてしまう...照れ隠しなのでしょうか(絶対今思い付いただろ) 三人娘は...書いてて自分も楽しんでました。天然のいさこと元気娘のまこ、 大人の女性なぎこの三人で全方位全年齢の男性ファンを獲得するつもりで。 しかしもう全書き終わっちゃったんだなあ...と。少しんみりしたりしています。 しかし次は...あれやってこれやる予定です(含笑)。 今度とも宜しく御願い致します! |
zizi | 投稿日時: 2013-4-14 23:02 更新日時: 2013-4-14 23:05 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
Asakoさんへ Asakoさん!
しかし昨日のニュース見てびっくりしました。 まだ余震などあるかもしれませんので気を付けて下さいませね。 そっか、最初の頃Asakoさんまだお忙しかったですもんね。長いテキストは 最初の方逃すとナカナカ途中から入りづらくなったりしますもんね。特に 第四話なんか...あれここだけの話ですが書いてるうちに自分に酔ってしまって どんどん筆が進んでしまったんです(爆)。あれでも少し削ってるんですよ。 当初もっと長かったんです。しかしこれは誰も読む気しないだろうと判断し 少し短くしました。 しかし第六話「笹子」ではキツい役を引き受けて下さり本当に感謝しています。 改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございます! あ、もしもアメリカで発売されるようになったらAsakoさんに英訳御願いしますので その時は宜しく御願い致します(だから誰が読むんだよ) ページビューはこれはもう皆様のおかげです。感謝感謝。あ、音楽の方ですね。 え〜と次はなにやろうかな〜っと(含笑) |
maco | 投稿日時: 2013-4-14 22:34 更新日時: 2013-4-14 22:34 |
長老 登録日: 2012-4-11 居住地: 投稿数: 202 |
Re: zizi通信 17「水の空に眠る」最終話 ziziさん、完結おめでとうございます!
なかなかしんみり、でも幸せな結末でしたね。 寛太がちょっと二枚目キャラになっちゃって もっとシリアスな感じも見たかったけど…ww (なぎことの再会のとことか…実際はキュンキュンなんだろなぁ) でも、なんだかワイワイしつつ、締める所は締める雰囲気は このGBUCのサイトの雰囲気とかぶりますね。 まこちゃん、おいしい役をありがとうございました。 個人的に最後の三人娘のチョコレートの件が可愛くて好きですw とくにいさこの天然ぶりw |
Asako | 投稿日時: 2013-4-14 20:52 更新日時: 2013-4-14 20:52 |
ドラえもん 登録日: 2006-7-15 居住地: 投稿数: 1101 |
Re: zizi通信 17「水の空に眠る」最終話 遅ればせながら、ziziさんお疲れ様でした。
壮大なお話でしたね。 壮大すぎて、読み込めていないのが申し訳ない。。 いつか最初からトライします、いつか (長文苦手族なのでいつになるか不明) 個人的にはいさこ&まこのコント的絡みがよかったです。 そういえば、すごいページビューですよね。 次の作品も期待しています。(あ、音楽の方で!) |
zizi | 投稿日時: 2013-4-14 7:47 更新日時: 2013-4-14 7:48 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
なりさんへ なりさん、どうもありがとうございます!
それぞれの個性は...そうですね。最初からこう、ガチガチに決めてた訳では なかったのですが、書いてるウチに段々固まって来ました。 男性陣はカッコ良く。女性陣は可愛らしく。zizi監督のモットーです(今思い付きました) どうしても戦争物はですね、最近の既存作品はどうしても自省的といいますか、 そうしなくてはいけないという呪縛に囚われているような気がします(オマエが言うな) なのでそろそろ明るく前向きに終わる戦記物があってもいいんじゃないかと思って... タブーに挑戦したつもりです(だからオマエが言うな) おお、なりさん出演ですね。ラブシーンOKですか、どうもありとうございます〜! イヤイヤ須倉氏には嫌など言わせません(笑)。 ちょっと今次回作は全く白紙ですが...しっかりインプットしておきます(笑) しかしハーレクイン風の連載、良いじゃないですか?是非初めて下さいよ〜! いやいや文章なんかテキトウでOKです。何せ私がここまで書いたんですから... ページビューは本当に多くの方に御覧頂き感謝しています。 また、コメントの応酬が続き複数回御覧頂いた方も多くいらっしゃったので あろうと想像しています。本当にどうもありがとうございました! |
なり | 投稿日時: 2013-4-14 6:53 更新日時: 2013-4-14 7:09 |
ケンシロウ 登録日: 2006-5-4 居住地: チューリップ畑 投稿数: 578 |
Re: zizi通信 17「水の空に眠る」最終話 監督、お疲れ様でした!
すぐに読んでいてコメントしたくてうずうずしていましたが、記念すべき最終回ですから、私ごときが真っ先にしゃしゃり出ては…と思い、ちょっと我慢して控えておりました。 そろそろ出しゃばってもいい頃でしょうか? 誰も死なない、誰も不幸にならない物語、とてもよかったです! ziziさんはさり気なく登場人物の個性を見極めていて、特に須倉さんの復活、そしてマニアックっぽい描写に受けました。 男性陣はみんなかっこよかったですが、樋渡さんの男前ぶりは反則ですね〜。 今度は是非、私も登場させてください。 できれば主役になる須倉さんの相手役で!ラブシーンOKです!(笑) 須倉さんが抵抗するようなら、非業の死を遂げる端役でもいいです。 私もziziさんに影響されてハーレクイン・ロマンス風の連載小説を書こうかなとちらっと思ったりしましたが、主人公の人選に苦労しています。 ziziさんのように素敵な文章で登場人物たちを魅力的に描く筆力もなさそうです(泣)。 という訳で、やはりziziさんに新作を熱望します。 ページビューの数を見ても、この作品はGBUCの密かな人気コーナーだったと思います。 ziziさんの妄想力の泉に期待します |
zizi | 投稿日時: 2013-4-14 6:10 更新日時: 2013-4-14 6:12 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
須倉歩氏へ SCRAPSさん、長い間ご愛読頂きまことにありがとうございます!
思えば最初の頃、SCRAPSさんにちょくちょくコメント頂くようになり、 「おっ!」と思っていた所に出演してもいいよとのお話まで頂きまして、 「須倉 歩」なる登場人物が誕生したのでした。「第七話 いさこの鼓」 の話に合わせてキャラ設定する事が出来て何と言いますか、書いてて自分で 面白かったです(笑)。そうですね、私も脳内ではこの物語の後須倉は.... 最後に少し出てたようにスティーブの口利きで進駐軍の軍属として整備の 仕事に付き、新しい技術をどんどん吸収して行きます。その熱心さを買われて アメリカに来ないかと誘われ、渡米、その後アメリカに居座りメカニックを 続ける。そしてその夢は、リノ・エアレースでいつの日か日本機を飛ばす事。 みたいな。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B9 オマケにSCRAPSさんの創造力といいますか、妄想力もナカナカすんごくて、 とても刺激になりました。三好女史も好きですし、これだけの妄想力を お持ちなら連載の二〜三本いけそうです(笑) いや、kankanさんとの話は特に具体的に何かあるワケじゃないんです。 しかしそうですね〜もしも何か書くんならどんなのがいいかな? 自分は本はSFと歴史物と戦記物とミステリ位しか読まないので青春小説とか 読んで研究してみようかな(今更遅すぎ〜) ともかくどうもありがとうございます! あ、裏話でまた三好女史など登場して頂くかもしれません〜! それでは妄想劇場の始まり〜(爆) ------------------------------------------- 最終回の放映後。zizi監督は着信に気付いた。相手が須倉氏の敏腕マネージャー、三好女史である事を視界に捉えつつそのガラケーを手に取る。 三好「あ、zizi監督。いつもお世話になっております。」 zizi「お。その声はエリカちゃんだね。どうもお疲れ様!」 三好「ハイッ、どうもぉ〜。そうですぅ、エリカでっす。ウレシィ〜、監督、私の声覚えてくださってるんですね」 zizi「勿論。私は聡明な女性の声は一度聞いたら忘れない、しかしエリカちゃん、貴方はそれに加えて美しさとメガネを備えている。これを忘れる事が出来る男性がこの世に果たしているだろうか」 三好「ハイ、ハイ。えぇ、そうなんですよぉ、たぶん居ないと思います。」 zizi「そうだよね。あれ?そういえばさっき須倉氏から<zizi監督、お疲れ様でし>で途切れたメール来てたけど何か聞いてます?」 三好「あ、全く気にしないで下さい。全然平気ですからね〜」 zizi「あ、そうだ、今度打ち上げパーティ来るね?」 三好「ええ、勿論出席させて頂きますよ」 zizi「じゃ、その時遭えるのを楽しみにしてるから」 三好「zizi監督...覚えていらっしゃってたんですね...」 http://gbuc.net/modules/myalbum/photo.php?lid=15411&com_id=167748&com_rootid=167682&com_mode=thread&#comment167748 zizi「え...?」 三好「目の前でピアノ弾いて頂けるって。私楽しみにしてますから!あ、キャッチ入ったんでこれで失礼します!」 そそくさと電話は切れてしまった。zizi監督は呆然と呟いた。 zizi「どうしよう....」 ------------------------------------------- |
zizi | 投稿日時: 2013-4-14 5:16 更新日時: 2013-4-14 5:16 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
キム教授へ kimuxさんどうもありがとうございます!
最後までお読み頂き御礼申し上げます。 電子書籍データ化本当にありがとうございました。 実は私はiphoneもipadも持ってないので(え〜) いつか買ったら是非そちらのデバイスでも読んでみようと思います〜! 最後はそうですね。やはり大縁談...いや大円団的終わり方に したかったのでこうなりました〜! |
SCRAPS | 投稿日時: 2013-4-14 0:51 更新日時: 2013-4-16 23:41 |
ターミネーター 登録日: 2007-1-27 居住地: 宮崎市 投稿数: 1424 |
Re: zizi通信 17「水の空に眠る」最終話 「うほーっ! なぎこと寛太キタコレーッ!! グフフフ、いい最終回だわぁ〜。センセ、『水の空に眠る』の最終回、チェックしました? つーかイサコタン萌えるんですけど。『みずねむ』スレ乱立してますよ。ちょっ、Twitterのトレンドに#みずねむ。キタコレ!!」
メガネを白く曇らせ、頬を紅潮させながら、マネージャー三好が暑苦しく訴えかけている。 他所では敏腕マネージャーだとか言ってるんだか言われているんだか知らないが、僕から見ればただのオタクだ。いやむしろヲタクだ。つまりオタクがΑ(アルファ)ならヲタクはΩ(オメガ)ってことだ。僕の苦手な2◯ゃんねるとやらにしょっちゅう出入りしているらしい。時々、仕事中にもかかわらずiMacの前でメガネを光らせながら、奇妙なジャーゴンをぶつくさ唱えていて怖い。 「水の空に眠る」最終話。僕もちょうど今チェックし終えたところだ。 僕はエスプレッソをクイッと煽って、その味のせいで少々苦みばしった顔を彼女に向けた。 「プッ。先生、号泣っすかwww」 「ち、違わいっ、濃ゆいエスプレッソで思わず苦み走った顔になっただけだいっ」 「ププッ。言い訳乙w ていうか、先生最近『美味しんぼ』読んでも泣いてますよね。涙腺弱りすぎぃ。ウケるんですけどぉ〜www」 「え、あれは花粉症だよ、花粉症。泣いてなんかいないもん。ヘックショイコンチキショー、あぁ〜、花粉飛んでるなぁ、今日も。グスン」 「あ〜、はいはい。『美味しんぼ』で泣いてたの全っ然花粉のシーズンじゃなかったですけど、まぁいいです。ところで先生、zizi監督の次回作、どうなるんですかね。業界中その噂で持ち切りなんですけど、なにせ噂の域を出ない話ばっかりで。ここはできれば次回作の音楽をうちでやらせてもらえたら大きな仕事になるんですけどねぇ」 「なんだよ、また仕事の話か。三好くんはすぐこれだからなぁ。仕事仕事仕事仕事って、そんなに僕を働かせてどうしようってんだい、まったく。馬車馬かい、馬車馬なのかい?」 「いや、私の食い扶持稼がなくちゃいけませんから。て言うかネットやら漫画やらばっかで仕事ろくにしてないじゃないですか。何言ってんすか、まったくもう」 「え、気づいてた?」 「はぁ?! 毎日毎日目の前でどうどうとやってるくせにどの口が言ってるんですか。この口ですか」 「痛たたた。チョッ、痛い痛い。もう、分かったって。分かったから。ちゃんと仕事するから。三好くん、キャラ変わってきてるぞ?!」 「いいんです。こう見えて、私外では敏腕美人マネージャーと呼ばれてるんです。外ではちゃんといい女を通してますから、どうぞご心配なく」 「誰も君の心配なんかしてないよ! 君じゃなくて僕のことが心配なんだよ。いいかい、僕はとってもいたいけでナイーヴなハートの持ち主なんだ。取り扱い注意なんだよ」 「何言ってるんですか。正しくは、毛が生えた蚤の心臓です。まったく、勘違いも甚だしい」 「おいおいおい。ややっこしいこと言うんじゃないよ。ちなみにそれは気が小さいのかい、それとも図々しいのかい? どっちなんだい、はっきり言ってみたまえ」 「どっちもですよ、先生の場合!」 「!…………。三好くん……、僕はしばらく暇をもらいます。……探さないでください。ぐすん」 「はいはい。今日はどちらの漫喫へ?」 「うん、白山のコム◯ムに」 「ってコラーッ! 仕事しましょうよぉ〜。ほんっとマダオなんだから」 「何だとぉーっ! マダオとは何だマダオとはっ!」 「だってそうじゃないですかぁ〜。マダオそのものですよ。や〜い、マダオォ〜」 「むむ、なんか腹立つな。取り敢えず雰囲気で乗っかってみたが、誰だそのマダオって?」 「ハイ? マダオはマダオ。『マるでダめなオっさん』、略してマダオですよぉ〜」 「!…………。ぐすん。あれ? なんだかまた花粉症が……。ぐすん」 「あ、そういえばこの間『みずねむ』の打ち上げの時、どうやらzizi監督が寛太さんとシオナちゃんコンビでまた新しい企画を計画しているって言ったとか言わないとかで、それもあって次回作のこと噂になってるんですよね。ここはひとつ、zizi監督のご機嫌を取ゲフゲフ、あ、違った。労をねぎらってお電話でも差し上げようかしら」 「ぐすん。じゃ、花も送って差し上げて。ぐすん」 「はいはい、もう手配済みですから。……あ、zizi監督。いつもお世話になっております。ハイッ、どうもぉ〜。そうですぅ、エリカでっす。ウレシィ〜、監督、私の声覚えてくださってるんですね。ハイ、ハイ。えぇ、そうなんですよぉ」 やれやれ、三好くんときたら安い飲み屋の女でもあるまいに。そもそも着信表示で分かるっつうの。まぁよいか。僕も監督に最終回お疲れ様のメールでも送っておくとしよう。 zizi監督、お疲れ様でした。毎回楽しみにしていました。劇中私にも役を付けていただいて大変光栄でした。 ささやかな楽しみのひとつが終わってしまってちょっと寂しい気持ちなのですが、ひとつのドラマを始めてそして完結させるというのは偉大なことだと思います。毎回色んな楽曲をBGMとしてセレクトされていて、監督はちょっとしたDJでもありましたね。 プレッシャーにならなければ是非是非次回作を書いてください。 ものは相談ですが、今度は是非、この須倉歩を主やk…… 「お、おい。三好くん! 何するんだ!! 人が書いてるメールを消すんじゃない!! おい、コラ〜」 |
zizi | 投稿日時: 2013-4-13 22:33 更新日時: 2013-4-13 22:33 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
由布司令官殿へ! おお〜お仕事御苦労様です!
しかしこの度は...ともかくあの「水の空に眠る」の楽曲のアップとあのコメントが無ければ 本当にこんな事にはなってなかったんですよ。今となってはとても不思議な感じです。 これは偶然だったのか、それともziziと校長先生が運命の赤い糸で結ばれていて.... すみません。少し具合が悪くなって来ましたので赤い糸は他の方で御願いします(爆) いや冗談はさておきようやく書き終えました...今はちょっと放心状態というと少し 大袈裟ですが、楽しみが終わってしまった寂しさと何か安堵感みたいなのが入り混じった 複雑な寂寥感があったりしてます。 あ、寛太のセリフ、そうですね。あれはですね...実は... (と書きながら一生懸命考えている)すみません。何も考えてません(笑) まあ流石の寛太も平静ではいられなかったのでしょう(そんだけ?) 由布司令官役お疲れさまでした。 >由布も助かってよかった(ホッ)。 実は一度前回の「激闘黒猫館」の最後の戦闘シーンで由布が皆を庇って銃弾を浴びて 命を落とす...という展開も思い浮かびはしましたが、「じじ」意外は主要人物は 一人も死なせたくなかったのと、それではこの物語の「抗戦派」のような方々が 完全に悪者になってしまう、というのを避けたかったので却下しました。彼らも悪人では なくあくまでも戦争被害者の一員、実際にはこんな人達いなかったはずなので、実際に御苦労 された方に申し訳ない...という気持ちもありましたので。 あ、最後のシーンはですね、これはもう監督特権で。実際には...そうですね、決めては いませんでしたが、これはもう完全に三人の空耳か...もしくは。「じじ」は事前に 自分の曲を例の「磁気式録音機」に録音しておいて、土蔵の荷物の管理を頼まれていた ぽとまん氏が夜に片付けていて(なので窓が開いている)に気付いてふと再生させた... なんて。まあ特に決めてませんので皆様感じたままに妄想されて下さいませ〜。 >・・・もう続きが無いと思うと、ちょっとさみしいです(笑) 実は私もちょっとそう感じています。」 また落ち着いたら外伝など書くかもしれません。 ともかくどうもありがとうございました〜! |
kimux | 投稿日時: 2013-4-13 21:33 更新日時: 2013-4-13 21:33 |
登録日: 2004-2-11 居住地: 地球 投稿数: 6943 |
Re: zizi通信 17「水の空に眠る」最終話 大団円!ぱちぱちぱち!
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yuuichik | 投稿日時: 2013-4-13 12:48 更新日時: 2013-4-13 14:01 |
校長 登録日: 2004-2-16 居住地: 投稿数: 2404 |
Re: zizi通信 17「水の空に眠る」最終話 GBUCにログインする時間をなかなか取れないので、
職場の昼休み時間を利用して、コメントさせていただきます♪ ziziさん、zizi監督、大腸変小説、完結おめでとうございます!! ん? まちがった、大長編小説、お疲れさまでした!!! こんなふうに最終話として完結させたのですね! まさか寛太がその場に零戦で登場とは! 漫画並みに唐突ですね(笑) いや、でもそこが面白いところ♪ しかもスティーブとw さすがはGBUC♪ 再会時の寛太の第一声、 > 「あれ..おーい!皆こんな所で何してるのぉ!」 このとぼけた感じがいいですね。 惜しむらくは、 「皆こんな所で何してんスか!」 だともっと良かったかも(!?) でもきっと監督なりの裏設定があってのことだと思います(笑) なぎこさんとの抱き合うシーンもいいですね♪ きっとリアル凪さんはいろいろと言うと思いますが、 内心はきっと喜んでいると思います(笑) その夜の、いさこの「なんでなぎこさん一緒に私達と寝れんの?」と、 対比的なまこの「野暮な事言うんやないで」がいいですね(笑) 樋渡、格好良すぎますね〜〜。 須倉歩も相変わらず、いい味出してますね〜〜。 結局まこを巡っての三角関係はならず、なのが残念(笑) 由布も助かってよかった(ホッ)。 涙ぐらいいくらでも流しますよ♪ 最後のシーンがまたいいねぇ〜〜。 誰かが弾いているピアノの音に、じじのイメージを重ねる。 この最後の演出、心憎いね〜〜。 って、監督特権のようにも(笑) でもいいんです。 きっとホントは由布かぽとまん氏が弾いているのでしょう。 あ、あるいはやっぱりここでも樋渡が・・・。くぅーっニクイね〜♪ いけない! もうこんな時間だ! 午後からの外来、がんばりますね〜〜(^o^)/~~~ 追伸 ziziさんの妄想力に火を付けるきっかけを与えられて、 こちらこそ感謝です♪ そして本当に、素晴らしい作品を創ってくれて、 ありがとうございます。 ・・・もう続きが無いと思うと、ちょっとさみしいです(笑) |
zizi | 投稿日時: 2013-4-13 9:37 更新日時: 2013-4-13 9:37 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
撮影終了後... 最終回の撮影も全て終了した後。豪華ホテル宴会場で打ち上げパーティーが行われていた。九九社長の挨拶に皆、愛本五号機十や江洲の情報は無いかと聞き耳を立てたがそんなうかつな事は言わなかった。
その後居並ぶ関係者及びゲストの方々を前に演壇ではzizi監督の演説のような挨拶が延々と続いている。撮影の苦労話から始まり音楽の話に触れた後現在は誰にも意味がわからない飛行機話が続いている。 「まだ終わらないのかよ...」 会場に居た全員がしびれを切らした頃、ようやく「乾杯!」となった。会場に戻ったzizi監督に寛太のマネージャー戸田が耳打ちする。 戸田「監督、やはり寛太さんとシオナさん、ちょっと今余裕無い状況で...皆様にヨロシクとの事でした...」 zizi「うん。わかってる。また新しい企画で一緒に頑張ろうと思ってるから」 戸田「そうですね、またヨロシク御願い致します。」 zizi「戸田ちゃん、色々ありがとね。じゃ、ここは無礼講だからじゃんじゃん飲んじゃって」 戸田「お!そうっすか!じゃあ遠慮なく頂きま〜す!」 急に表情が輝きだす戸田マネージャーの顔を見ると「楽しんで欲しい」という意思表示として形式的に述べただけなのに少し不安になるzizi監督であった。 |
zizi | 投稿日時: 2013-4-12 18:45 更新日時: 2013-4-12 18:45 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
関連楽曲、登場人物等 関連楽曲等
「水の空に眠る」/yuuichikさん 「君十七の月ほの暗く」/yuuichikさんの外伝曲 「AVANT LE LEVER DU SOLEIL」/SCRAPSさん 「彼方から」/ziziの外伝曲 かんなぎの空 〜「水の空に眠る」main title/zizi 予告編【Youtube 高解像度版】 主な登場人物(今回登場しない方含む) 簡寛太 海軍航空隊に所属する特攻隊員 なぎこ 航空隊のある町の花街にいた美しい娘「なぎこ」 由布 一 寛太の基地の司令官 ぽとまん「黒猫館」常連客で萬商店「土瓶屋」の主 いさこ なぎこと同じ店で働く娘。声の美しい、恥ずかしがり屋。 まこ なぎこと同じ店で働く娘。おきゃんで元気、だけど寂しがり屋。 じじ 彼女たちを束ねる怪しい料亭「黒猫館」のあるじ。 樋渡干記 大陸帰りの従軍記者。過去経歴に謎の部分有り。 シオン 寛太が漂着した村の美しい娘 笹子 古ぼけた写真に写っていた女性。じじ昔の知人であるらしい。 須倉 歩 気の荒い整備兵 スティーヴ 寛太のいる奄美大島の村を訪れた米海軍パイロット これまでコメント欄での裏話等に登場している本編登場人物以外の方々です。 戸田:芸能事務所NAK社所属、寛太のマネージャーだが... オマタ:芸能事務所NAK社所属、戸田に代わり寛太のマネージャーとなる。 鈴木:監督助手その1、唐揚弁当事件で一旦クビになる。 佐藤:監督助手その2、会議で監督を援護せず不興を買う。 鈴木の彼女:地味な女子。 ルカ:ziziの仕事用邸宅に居るボカロちゃん。アンドロイドなのか? 九九社長:大スポンサー、りんご電算機株式会社社長。愛車はミ○・イース。 キム教授:時代考証担当顧問 樋渡満記:樋渡干記の兄 三好:須倉氏の美人マネージャー nak社長:愛車はリンカーンコンチネンタル なり子:素敵な差し入れを頂いた視聴者の方 jun子:由布氏と共演した事がある国民的歌手(ホントすみません) よう子:他局アナ。飛行機好き。 |
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