
年末なので、データの整理をしていたら出て来たふるーい曲です。 もう13年も前の作品です。 AppleのラジオCMで使われたりもしました。 ↓は、当時の添付ドキュメントです。 --------------------------------------------------- むかしあるところに、何よりも鉄道が好きな男がいた。 男の夢は自分の鉄道を持つことだった。 長い年月にわたり多大な努力を続けた結果、男は自分の鉄道会社を所有するに至った。しかし彼の夢はそれで果たされたわけではなかった。なぜならその列車は彼の意志によって動き、彼の望むところへ走るわけではなかったのである。 彼はさらなる努力を重ね、本当に自分だけの鉄道を造るために邁進した。 そして遂に、彼は自分一人だけの、自分の行きたいところへ行ける鉄道を造り上げることに成功した。 その列車と線路は巨大な歩く機械にささえられており、列車の進む方向にしたがって機械がつぎつぎに線路を組み立ててゆくのだった。列車が通り過ぎた後の線路は同じ機械によって分解され、そのまま新しい線路へと繋がれてゆくのである。これならば運転手の望むままに、どこへでも行くことができる。 試運転のその日、人々はこの巨大かつ異様なシステムに目を奪われた。なかには男を気狂い扱いするものもいたが、男はそんな声を気にすることはなく夢の実現にひたすら満足だった。 列車が動きはじめると、人々の間に驚嘆と嘲笑のどよめきが起こった。列車は男の望むままにどこまでも走り続ける。ひとしきり列車を走らせた男は、進路を真っ赤に燃える夕焼けの空へと向けた。 列車と線路と巨大な機械は、ふわりと浮かび上がりぐんぐんスピードを上げて走り続けた。「一体どこまで行くつもりなんだ?」。 人々の詮索を尻目に、列車は走り続けた。 大気圏を越え、月を越え、遂には地球の周回起動を離脱した。 それでも列車は止ることなく、男を乗せて夜空を走り続けた。 極私的鉄道が木星に到達するのは三年後の予定である。 --------------------------------------------------- お正月にかけて、ちょぼちょぼとお蔵だし予定。 :-D
