zizi さんの日記
2012
8月
12
(日)
04:53
前の日記
本文
連載小説「水の空に眠る」の第二話です。当り前ですが第一話の続きとなっています。
とても意味不明の方はすみません、説明するととても長くなりますので
第一話の状況をご参照下さい.. 第一話をお忘れの方もどうぞ↓
http://gbuc.net/modules/d3diary/index.php?page=detail&bid=85&req_uid=0
主な登場人物
簡寛太 海軍航空隊に所属する特攻隊員
なぎこ 航空隊のある町の花街にいた美しい娘「なぎこ」
由布 一 寛太の基地の司令官、あだ名は校長先生
ぽとまん「黒猫館」常連客で萬商店「土瓶屋」の主
いさこ なぎこと同じ店で働く娘。声の美しい、恥ずかしがり屋。
まこ なぎこと同じ店で働く娘。おきゃんで元気、だけど寂しがり屋。
じじ 彼女たちを束ねる怪しい料亭「黒猫館」のあるじ。
前回なぎこが飛び込んだ川の中...第二話はそこからスタートします..
オープニングのBGMにこちらをどうぞ...
水庭／揺蕩（たゆたい）／蕗菊 さん
http://gbuc.net/modules/myalbum/photo.php?lid=12170
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
「水の空に眠る」
第二話 出逢い
1945年4月
飛び込んだ川の中から水の空を見上げながら、
薄れかけた意識の中でなぎこは初めて出逢った時の事を思い出していた...
.............
1945年1月
寛太が転任して来た海軍航空隊近くにある花街の入り口に
「土瓶屋」という名の萬商店があり、通称「ぽとまん」と呼ばれる主がいる。
なぎこは店の小道具や日用品を買うためによくこの店を利用していた。
今日の店内にはなぎこの他に基地の航空兵らしき若者が一人。
「ぽとまんさん、こんにちは。今日も寒いわね。」
「おや、これはなぎこサン。今日もまたおキレイですなぁ」
「まぁた調子いい事言って。今はスッピンですよ」
「いやそれもまた結構なことで。じじの旦那は達者ですかい？」
「ええ、相変わらずブツブツ言ってるわ。この前なんかツケを払わないお客さんに
「「金払わないモンは客じゃなかろうもん、二度と関門海峡渡って来んでよか！」」
とか言って追い出したりするかと思えば、私達にはどっから調達して来るのか知りません
けど甘いモノなんか頂いたりして...ケチなんだか鷹揚なんだかよくわからないんです」
「くくっ...あのお方らしいや...」
黒猫館の常連でもあるぽとまんと交わすこんな軽口は、なぎこにとって
今の緊迫した御時世における一服の清涼剤であった。
いつもの日用品を手に取ったなぎこは、何気なく見た棚先に珍しいものを見つけた。
手に取ろうとしたよりも少し早く、先程から店内にいた若者がそのハーモニカに手を伸ばしていた。
「あっ！すみません」
思わず手が重なってしまった。
「いえ、こちらこそすみません。宜しければ...どうぞ」
少し涼しげで精悍な顔つきの青年は、少し恥ずかしそうに言った。
「いえ、いいんです。ちょっと見てみようと思っただけで、私が吹けるわけじゃありませんから...
音楽がお好きなんですね？」
買うつもりがなかったのは本当だったが、何故か少し気恥ずかしさを感じていた。
「ええ、まあ...自分も持ってはいたんですが、こちらに転任する際に実家に送って
しまったんス..形見...い、いえ、もう要らないから妹にあげようと思って...でもこの店で
目にしたらやっぱり欲しくなってしまって。本当に宜しいのですか？」
涼しげな顔つきに少し無邪気な色が宿る。それを見て取ったなぎこは、
自分でもびっくりするくらいに言葉が出てきた。
「ええ。ホントにいいんです。あ、でもその代わりに...今度私のお店にいらしてくださいね。
すぐそこの黒猫館っていう料亭で働いているんですけど...
あ、勘違いしないでくださいね、うちに娼妓はいませんよ。
それに最近は物資も乏しくて、あんまりご馳走も出来ませんけどね...
とても質素なおもてなししか出来なくて申し訳ないんですけれど...
でも昔軍楽隊にいた、あるじの目利きで集まって来た娘ばかりですからね。
他所にいったりなんかしたら絶対損しちゃいますよ！」
「そうでしたか、わかりました。それでは今度是非おじゃまさせていただきます」
若者は、一気にしゃべってハッとしたように我に返るなぎこを微笑ましく見つめていた。
「あの、お名前は？」
「寛太ッス。簡寛太。転任して来たばかりでまだこの辺りの事全く知らないんです。」
「寛太さん...あ、私はなぎこと申します。あの...もしもご迷惑でなければ
今度一度、この辺りを御案内しましょうか？」
こうして二人は出逢い、あまり機会は無かったが、外出できる時間が合えば
二人の逢瀬を重ねたのであった...
.............
1945年4月 匂橋下のなぎこ
息が苦しくなるのも忘れてそんな事を水の中で思い出していたなぎこは
唐突に手にした物に思いが及んだ。
「寛太さんのハーモニカが壊れる！」
そう思うと無意識のうちに足で水を掻き、水面へと顔を出していた。
「きゃっ！」「わあっ！」と男女の叫ぶ声が聴こえる。
.............
1945年4月 一夜遡って昨夜、寛太出撃前夜の黒猫館
閉館後の黒猫館では、ぽとまんとじじが何やら話をしていた...
「じじの旦那、何です折り入って話って」
「いや、実はさ....今、明日出撃予定の特攻隊員が一人泊まってる」
「ええ？そりゃ重大な軍規違反でしょ？脱走兵をかくまってるんですかい？」
「いや違う。校長...いや、基地司令には話しを付けてる。明朝六時の出撃までには必ず戻る」
「旦那は本当に司令官殿と通々なんすね。出撃の時間や隊員が誰かなんてそんな事まで...」
そんな機密事項を何故か声をひそめずに話すじじは、さらに言葉を重ねた。
「それで今はなぎこネェさんと一緒におる。だからさ、ぽとまんサン、明日のその時間、
匂橋に来てくれんかね...」
「...ああ、寛太さんだね...いい若者なのに...それでなぎこサンが後追わないかと心配なんだね、旦那」
「えっ！」「しっ！」後ろから特徴のある女の声がかすかに聞こえた。思わず振り返るぽとまん。
しかし障子の向こうにあった二人の影はすでに見えなくなっていた。
「旦那、気付いてたんすか？ あの二人には教えてあげたかったんスね...」
「そういやいつも今時分、台所につまみ喰いに来てるみてぇだな...
いやさ、私ゃ最近足の古傷が痛んでね...上手く走れねぇんだよ...」
声がした方を見ようともせずにじじは答えた。
.............
1945年4月 匂橋下のなぎこ
なぎこは水面へ顔を出し...
川面から見上げると誰もいないと思っていた橋の欄干から身を乗り出すようにこちらを見ている、
同じ店で働くいさこやまこの心配そうな顔が見えた。あれ？叫んだのはいさこちゃんかしら？
と何故か冷静に頭が働く。すると...と思う間に男が川に落下してきた。じたばたと
もがく男の後からさらにもう一人が飛び込んでくる。
自力で岸に泳ぎ着いたなぎこが振り返ると、溺れかけたじじを抱えるようにして
土瓶屋のぽとまんがこちらに向かって泳いで来た。突然なぎこは可笑しくなってきて
クスクス笑いながら話かけた。
「あれえ？二人ともどうしたんですか？」
ぽとまんが答える。
「おやおやなぎこさん、朝から水練なんスか？足悪くして泳げねぇじじの旦那が
踏み外してそっから落っこちるもんだからさ、こうやって助けてやってるって按配でさあ。」
「余計な事を..これは昨日風呂に入ってなかったけん... げほっ...」
「ほ〜らじじの旦那、そんなに無理してしゃべらんでいいから。
大体なぎこさんを助けるつもりがなんでこんなオッサンを...」
橋の上からも安堵の声と笑い声が起こった。
「みんな大丈夫ですか〜！」元気なまこが声を上げる。
「うん。」形見となったハーモニカを握りしめ、小さく、しかし強く返事をしたなぎこは
寛太さんの「生き抜いてください」という声が聞こえる...そうはっきりと感じていた。
自分も一緒に、とのつもりで昨夜寛太さんにあげた愛用の櫛。
それと一緒に寛太さんは南の空へ飛び立って行ってしまったんだ...でも...
今一度、自分の心を確かめるように頷くなぎこ。
もう二度と死のうなんて思いません...どんな事があっても...
そしていつの日か、あの歌をもう一度...
- 続く-
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
この物語はフィクションであり、登場する人物や団体の名称等は実在のもの
とは一切関係ありません...
今回のエンディングテーマはこちらをどうぞ（手前ミソですみません...）
http://gbuc.net/modules/myalbum/photo.php?lid=14957&cid=1
あとがき
連載第二回目となりました。長文大変申し訳ありません。
さて、この航空隊基地がある場所はどこか？架空の物語で設定も思い付きなので
こんな事言うのも変ですが、一応少し考えてみました、
九州には特攻隊の基地となった場所がいくつもあります。
花街が存在する、という事は結構大規模な基地である必要がありそうな気がします。
鹿児島県の知覧や鹿屋が有名ですが（資料館があり両方訪れた事あります）
少し地方過ぎる...ような気がします。大規模な施設で特攻の出撃もあった所...
どうやら長崎県の大村海軍航空隊が相応しいようです。
第21海軍航空廠という大きな工場もあり、周囲にも結構人が多かったと思われます。
また、海軍の重要な軍港であった佐世保や工場等があった長崎も同県内にあり、
物資の集積もあったと思われますので、黒猫館や土瓶屋がどうにかして
いろんなモノを調達をする機会もあったのではないでしょうかね...
と勝手に想像しています。次回は、寛太の出撃後...を描いてみたく思います。
最後まで御読み頂き誠にありがとうございます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/大村海軍航空隊
http://www.omuranavi.jp/02history/history06.html
とても意味不明の方はすみません、説明するととても長くなりますので
第一話の状況をご参照下さい.. 第一話をお忘れの方もどうぞ↓
http://gbuc.net/modules/d3diary/index.php?page=detail&bid=85&req_uid=0
主な登場人物
簡寛太 海軍航空隊に所属する特攻隊員
なぎこ 航空隊のある町の花街にいた美しい娘「なぎこ」
由布 一 寛太の基地の司令官、あだ名は校長先生
ぽとまん「黒猫館」常連客で萬商店「土瓶屋」の主
いさこ なぎこと同じ店で働く娘。声の美しい、恥ずかしがり屋。
まこ なぎこと同じ店で働く娘。おきゃんで元気、だけど寂しがり屋。
じじ 彼女たちを束ねる怪しい料亭「黒猫館」のあるじ。
前回なぎこが飛び込んだ川の中...第二話はそこからスタートします..
オープニングのBGMにこちらをどうぞ...
水庭／揺蕩（たゆたい）／蕗菊 さん
http://gbuc.net/modules/myalbum/photo.php?lid=12170
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「水の空に眠る」
第二話 出逢い
1945年4月
飛び込んだ川の中から水の空を見上げながら、
薄れかけた意識の中でなぎこは初めて出逢った時の事を思い出していた...
.............
1945年1月
寛太が転任して来た海軍航空隊近くにある花街の入り口に
「土瓶屋」という名の萬商店があり、通称「ぽとまん」と呼ばれる主がいる。
なぎこは店の小道具や日用品を買うためによくこの店を利用していた。
今日の店内にはなぎこの他に基地の航空兵らしき若者が一人。
「ぽとまんさん、こんにちは。今日も寒いわね。」
「おや、これはなぎこサン。今日もまたおキレイですなぁ」
「まぁた調子いい事言って。今はスッピンですよ」
「いやそれもまた結構なことで。じじの旦那は達者ですかい？」
「ええ、相変わらずブツブツ言ってるわ。この前なんかツケを払わないお客さんに
「「金払わないモンは客じゃなかろうもん、二度と関門海峡渡って来んでよか！」」
とか言って追い出したりするかと思えば、私達にはどっから調達して来るのか知りません
けど甘いモノなんか頂いたりして...ケチなんだか鷹揚なんだかよくわからないんです」
「くくっ...あのお方らしいや...」
黒猫館の常連でもあるぽとまんと交わすこんな軽口は、なぎこにとって
今の緊迫した御時世における一服の清涼剤であった。
いつもの日用品を手に取ったなぎこは、何気なく見た棚先に珍しいものを見つけた。
手に取ろうとしたよりも少し早く、先程から店内にいた若者がそのハーモニカに手を伸ばしていた。
「あっ！すみません」
思わず手が重なってしまった。
「いえ、こちらこそすみません。宜しければ...どうぞ」
少し涼しげで精悍な顔つきの青年は、少し恥ずかしそうに言った。
「いえ、いいんです。ちょっと見てみようと思っただけで、私が吹けるわけじゃありませんから...
音楽がお好きなんですね？」
買うつもりがなかったのは本当だったが、何故か少し気恥ずかしさを感じていた。
「ええ、まあ...自分も持ってはいたんですが、こちらに転任する際に実家に送って
しまったんス..形見...い、いえ、もう要らないから妹にあげようと思って...でもこの店で
目にしたらやっぱり欲しくなってしまって。本当に宜しいのですか？」
涼しげな顔つきに少し無邪気な色が宿る。それを見て取ったなぎこは、
自分でもびっくりするくらいに言葉が出てきた。
「ええ。ホントにいいんです。あ、でもその代わりに...今度私のお店にいらしてくださいね。
すぐそこの黒猫館っていう料亭で働いているんですけど...
あ、勘違いしないでくださいね、うちに娼妓はいませんよ。
それに最近は物資も乏しくて、あんまりご馳走も出来ませんけどね...
とても質素なおもてなししか出来なくて申し訳ないんですけれど...
でも昔軍楽隊にいた、あるじの目利きで集まって来た娘ばかりですからね。
他所にいったりなんかしたら絶対損しちゃいますよ！」
「そうでしたか、わかりました。それでは今度是非おじゃまさせていただきます」
若者は、一気にしゃべってハッとしたように我に返るなぎこを微笑ましく見つめていた。
「あの、お名前は？」
「寛太ッス。簡寛太。転任して来たばかりでまだこの辺りの事全く知らないんです。」
「寛太さん...あ、私はなぎこと申します。あの...もしもご迷惑でなければ
今度一度、この辺りを御案内しましょうか？」
こうして二人は出逢い、あまり機会は無かったが、外出できる時間が合えば
二人の逢瀬を重ねたのであった...
.............
1945年4月 匂橋下のなぎこ
息が苦しくなるのも忘れてそんな事を水の中で思い出していたなぎこは
唐突に手にした物に思いが及んだ。
「寛太さんのハーモニカが壊れる！」
そう思うと無意識のうちに足で水を掻き、水面へと顔を出していた。
「きゃっ！」「わあっ！」と男女の叫ぶ声が聴こえる。
.............
1945年4月 一夜遡って昨夜、寛太出撃前夜の黒猫館
閉館後の黒猫館では、ぽとまんとじじが何やら話をしていた...
「じじの旦那、何です折り入って話って」
「いや、実はさ....今、明日出撃予定の特攻隊員が一人泊まってる」
「ええ？そりゃ重大な軍規違反でしょ？脱走兵をかくまってるんですかい？」
「いや違う。校長...いや、基地司令には話しを付けてる。明朝六時の出撃までには必ず戻る」
「旦那は本当に司令官殿と通々なんすね。出撃の時間や隊員が誰かなんてそんな事まで...」
そんな機密事項を何故か声をひそめずに話すじじは、さらに言葉を重ねた。
「それで今はなぎこネェさんと一緒におる。だからさ、ぽとまんサン、明日のその時間、
匂橋に来てくれんかね...」
「...ああ、寛太さんだね...いい若者なのに...それでなぎこサンが後追わないかと心配なんだね、旦那」
「えっ！」「しっ！」後ろから特徴のある女の声がかすかに聞こえた。思わず振り返るぽとまん。
しかし障子の向こうにあった二人の影はすでに見えなくなっていた。
「旦那、気付いてたんすか？ あの二人には教えてあげたかったんスね...」
「そういやいつも今時分、台所につまみ喰いに来てるみてぇだな...
いやさ、私ゃ最近足の古傷が痛んでね...上手く走れねぇんだよ...」
声がした方を見ようともせずにじじは答えた。
.............
1945年4月 匂橋下のなぎこ
なぎこは水面へ顔を出し...
川面から見上げると誰もいないと思っていた橋の欄干から身を乗り出すようにこちらを見ている、
同じ店で働くいさこやまこの心配そうな顔が見えた。あれ？叫んだのはいさこちゃんかしら？
と何故か冷静に頭が働く。すると...と思う間に男が川に落下してきた。じたばたと
もがく男の後からさらにもう一人が飛び込んでくる。
自力で岸に泳ぎ着いたなぎこが振り返ると、溺れかけたじじを抱えるようにして
土瓶屋のぽとまんがこちらに向かって泳いで来た。突然なぎこは可笑しくなってきて
クスクス笑いながら話かけた。
「あれえ？二人ともどうしたんですか？」
ぽとまんが答える。
「おやおやなぎこさん、朝から水練なんスか？足悪くして泳げねぇじじの旦那が
踏み外してそっから落っこちるもんだからさ、こうやって助けてやってるって按配でさあ。」
「余計な事を..これは昨日風呂に入ってなかったけん... げほっ...」
「ほ〜らじじの旦那、そんなに無理してしゃべらんでいいから。
大体なぎこさんを助けるつもりがなんでこんなオッサンを...」
橋の上からも安堵の声と笑い声が起こった。
「みんな大丈夫ですか〜！」元気なまこが声を上げる。
「うん。」形見となったハーモニカを握りしめ、小さく、しかし強く返事をしたなぎこは
寛太さんの「生き抜いてください」という声が聞こえる...そうはっきりと感じていた。
自分も一緒に、とのつもりで昨夜寛太さんにあげた愛用の櫛。
それと一緒に寛太さんは南の空へ飛び立って行ってしまったんだ...でも...
今一度、自分の心を確かめるように頷くなぎこ。
もう二度と死のうなんて思いません...どんな事があっても...
そしていつの日か、あの歌をもう一度...
- 続く-
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この物語はフィクションであり、登場する人物や団体の名称等は実在のもの
とは一切関係ありません...
今回のエンディングテーマはこちらをどうぞ（手前ミソですみません...）
http://gbuc.net/modules/myalbum/photo.php?lid=14957&cid=1
あとがき
連載第二回目となりました。長文大変申し訳ありません。
さて、この航空隊基地がある場所はどこか？架空の物語で設定も思い付きなので
こんな事言うのも変ですが、一応少し考えてみました、
九州には特攻隊の基地となった場所がいくつもあります。
花街が存在する、という事は結構大規模な基地である必要がありそうな気がします。
鹿児島県の知覧や鹿屋が有名ですが（資料館があり両方訪れた事あります）
少し地方過ぎる...ような気がします。大規模な施設で特攻の出撃もあった所...
どうやら長崎県の大村海軍航空隊が相応しいようです。
第21海軍航空廠という大きな工場もあり、周囲にも結構人が多かったと思われます。
また、海軍の重要な軍港であった佐世保や工場等があった長崎も同県内にあり、
物資の集積もあったと思われますので、黒猫館や土瓶屋がどうにかして
いろんなモノを調達をする機会もあったのではないでしょうかね...
と勝手に想像しています。次回は、寛太の出撃後...を描いてみたく思います。
最後まで御読み頂き誠にありがとうございます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/大村海軍航空隊
http://www.omuranavi.jp/02history/history06.html
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| 投稿者 | スレッド |
|---|---|
| zizi | 投稿日時: 2012-8-21 5:20 更新日時: 2012-8-21 5:20 |
  登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3257 |
 Re[2]: zizi通信 05 「水の空に眠る」第ニ話おお、どうもありがとうございます！
「ぽとまん」氏はまたちょくちょく出演頂く予定です。 そうか、特に意識はしてなかったですが広瀬さん的... いや大変嬉しく思います。また宜しく御願いします！ |
| potman2 | 投稿日時: 2012-8-20 22:58 更新日時: 2012-8-20 22:58 |
ターミネーター  登録日: 2010-5-23 居住地: 東京 投稿数: 1451 |
Re: zizi通信 05 「水の空に眠る」第ニ話 愛読しとりますよ。
しかしこの広瀬さん的手法、さすが！ |
| zizi | 投稿日時: 2012-8-15 20:04 更新日時: 2012-8-15 20:04 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3257 |
Re[2]: yuuichikさんへ まずは段々原案より逸れてきているかもしれない事をお詫び致します。
「ぽとまん」氏はそうですね、重要な語らせ役になって頂けそうです。 しかし細部に渡る伏線ぽい部分まで読み込んで頂いておりホトホト感服致します。 ちょっとまだ取りあえず書いたものの未定の部分もあったりしますが、今後 何らかの形で触れられる部分もあろうかと思います。 そうです。「黒猫館」はタダの料亭じゃない...税金を軍に取られ、その予算から隊員に 給金が支払われ、その給金を店の支払いとして充てさせる事で溜飲を下げています。 なので取り立てはセコいです。ツケを貯めるようなヤツは平気で罵ります。「黒猫館」 の意義を貫く為にはダーティなやり方も辞さない...という主です。 しかし私は蛍の宿も黒猫館の出典も知りませんでしたね〜（笑）。 既に私の頭の中では「一刻館」並の存在感があります。（どんななんだ） まあこれ位のペースで続けて行ければと思います。 今後とも宜しく御願い致します！ |
| yuuichik | 投稿日時: 2012-8-15 19:16 更新日時: 2012-8-15 19:24 |
校長   登録日: 2004-2-16 居住地: 投稿数: 2404 |
Re: zizi通信 05 「水の空に眠る」第ニ話 やぁ・・・、堪能しましたよ。
さすがは我らが「妄想族」の族長zizi様っ！（笑） 小道具のハーモニカが、効いてますね。 それに「意識の流れ」に沿った場面の組み立て方が、いいですね。 「失われた時を求めて」・・・。 岩井俊二やユン・ソクホも真っ青な、素晴らしい演出です。 ぽとまんさんが、何気にいい味出してます。 やはり、主要な役者（例えば「じじ」）を語らせるためには、 その「相方」の存在が重要ですよね。 素晴らしい。 もし司令官（由布一ですか？w）も物語的に活躍するならば、 それなりの相方が出てくるのでしょうか？ あるいは・・・、 じじが「昔軍楽隊にいた」と何気に語ることで、 第一話で触れた「じじが司令官と何か通じている」とも関連して、 若き日の司令官とじじの物語も、音楽も兼ねて出てくるのでしょうか？ 若き日を語ることで、いろんなGBUCメンバーが登場できそうですね（笑） なぎこが助かって、良かったです。 たぶん助かるだろうとは思っていたものの、 実際に助かると、ホッとするものですね♪ ようやく本格的に登場した、いさこやまこも、 第三話からはさらに活躍しそうですね。 何か・・・、私もいろいろとインスパイアされます（笑） 「娼妓」じゃない、としたところに、 演出家ziziさんの素晴らしさと、配慮がありますね。さすがです♪ 実は私、この元のイメージを思いついたとき、 向田邦子原作の、戦時中を描いたドラマ「螢の宿」などをイメージしていて、 時代性もあるとは言え、特攻兵と娼妓の恋であることも想定していました。 だから、館の主じじが、 > この馬鹿げた戦争で文化が失われる事に非常に危機感を抱いて > 歌舞に秀でてかつ不遇な境遇にある若い才能を保護する、という目的 と言うのを聞いて、 「黒猫館」の意義を、さらに昇華させているのを見て、 素晴らしい！と、感嘆の声を上げたしだいです。 ・・・だから、「黒猫館」の名前の出典が、 ziziさんのアイコンからイメージを広げて、 くりいむレモンにあったことは、 秘密にしておこうと思いますっ（笑） |
| zizi | 投稿日時: 2012-8-15 17:28 更新日時: 2012-8-15 17:31 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3257 |
Re[2]: 凪さんへ 先日より御世話になっております〜。ええ、「黒猫館」にいるのは娼妓でなく所謂「芸妓」です。
この物語には妄想の産物ですが、ある種のリアリティを持たせたく考えてます。 それで調べてみましたらまず長崎県内で遊郭と呼ばれる物があったのは長崎市丸山町だけのようです。 又、物語中の「じじ」はこの馬鹿げた戦争で文化が失われる事に非常に危機感を抱いており、 この時代莫大な国家予算を費やしている軍相手に商売をすることで、歌舞に秀でてかつ不遇な境遇 にある若い才能を保護する、という目的がありこの「黒猫館」を運営しており、 その目的の為には手段を選ばない...という設定です。 それに何と言ってもモデル設定が明白なのに娼妓など...頼まれてもziziに出来ようはずがありません。 登場人物...あさこさんについては只今正式に出演交渉を行っている最中です。もしも可能であれば スポット的エピソードに出演して頂く考えです。（そのストーリーは既に頭の中にあります:笑） >健気で清楚で可憐でまっすぐな感じのコ... え？居ませんかね?ワタシの連れ合いなんてそれはもう...いやスミマセン... 完全に嘘ついてしまいまいた（爆） 理想像とかそういう訳でもなく、こういう人居たらそれは好きですが、真逆の人がいたとしたら それも好きです。どうも人生においてそういう事が段々どうでも良くなって来ています（笑）。 まあ「なぎこ」の性格については物語的演出だとお考え下さい。 （その他の登場人物についてもですが） 詳しくは楽曲「水の空に眠る」における校長先生の凪さんへのレスを御参照下さい （人まかせでスミマセン） それに自分を筆頭に男の方も現実にはいい加減な人多いので（笑） とりあえず現在三話先位まで粗筋は出来てます。また宜しく御願い致します！ |
| 凪 | 投稿日時: 2012-8-15 10:19 更新日時: 2012-8-15 10:19 |
ドラえもん  登録日: 2006-11-11 居住地: 投稿数: 1270 |
Re: zizi通信 05 「水の空に眠る」第ニ話 ほんとだ、死ななかった。
しかも二度と死のうとは思わないらしいし。 登場人物が一気に増えましたね。 ぽとまんさん、じじさん、いさこちゃん、まこちゃん。 そしてなんと私のアイドル、あさこさんですか！？わくわく。 それから、オープニングの曲を使ってくださってありがとうございます。ziziさんていろんな点ですごくマメですね。 ＞あ、勘違いしないでくださいね、うちに娼妓はいませんよ。 ありゃりゃ、しっかり勘違いしてました。 なぎこは娼妓だとばかり思ってました。 まあいい、いずれにせよ、こんな健気で清楚で可憐でまっすぐな感じのコ、もうね、無理！www 逆方向に行って、エロエロで淫乱で頭の中はそればっかりっていうのと同じくらい無理！www …失礼しました。 現実にいなくはないかもしれませんが、なかなかいませんよ〜、しかも設定では美しいんでしょ？なおさら希少です。 ziziさんのファンタジーの方向性、実は恐ろしくハードルが高いんじゃないのでしょうか。 実は先日、水面の下から空を見上げたんですよ。仰向けじゃなくて斜めですけど。 潤んだ青い空が水の泡の中で揺れてとてもきれいでした。 きれいでしたが、コンタクトレンズが流れました  使い捨てでよかった。 プールの中で、ゴーグルもしてないのに思い切り目を開けてしまったのでした←バカ 今まで、目を開けてもコンタクトが外れたことはなかったので、油断し切ってたんですが、今後気をつけなくては(´・ω・`) さて次回はいよいよ寛太さんの勇姿…なのでしょうか？ どうも一筋縄ではいかなさそうですね。 |
| zizi | 投稿日時: 2012-8-13 6:00 更新日時: 2012-8-13 6:00 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3257 |
Re[2]: kankanさんへ いやいや今日はホントに名演技でしたね〜、あの手が重なる所なんてもう...
あ、先日のお店、今度はいつ行きます？いやいやホントお疲れ様でした〜！ ＝＝＝ 本日の撮影終了後 ＝＝＝ 監督助手その1、鈴木はziziの理不尽な要求に今日も黙って耐えていた。 zizi「あ、まだ途中の台本ADに渡しちゃった。おーい鈴木ちゃーん！あれ取り返して来てー！」 しばらくして... 鈴木「監督、取り返してきました...いやそれがちょっとだけ寛太さん見ちゃったみたいで...」 zizi「別に良いから。そんな事よりもうどうしよう戦闘シーン...敵機はやはり艦載機だからP-51 よりもF-6Fだろな...大体このゼロ戦は21型なのか52型なのか...決めてない...え？どうでも良い？ 何いってんのさこれ大切よ？CG制作会社に注意しといてね。もしも32型でCG創ったりしたら パッとみ違うから視聴者から絶対クレーム来るから気を付けてよね。」 鈴木「はい！＜小声で：誰もそんな事気にしないと思うケド...＞」 ＝＝＝ 寛太のインタビュー終了後 ＝＝＝ 脚本監督ziziは控え室廊下で寛太のマネージャー戸田を見つけて話かけた。 zizi「あ、戸田ちゃんさぁ、ちょっと話があるんだけど...」 戸田「あ、zizi監督、寛太さんちょっと小...いや、席外してるんスが...」 zizi「ああ、良かったって伝えといて。それより戸田ちゃんさあ、さっき インタビューしてたアサコさんって演技はどうだろうね？」 戸田「は、はぁ...私はちょっと知りませんけど....でも歌手として自分を表現 される方って演技も結構イケルんじゃないですかね？」 zizi「でしょ、私もそう思う....あ、じゃあ鈴木ちゃんそういうワケだから、何とかしといてね。」 |
| kankan | 投稿日時: 2012-8-12 15:07 更新日時: 2012-8-12 15:07 |
TheKanders  登録日: 2008-1-14 居住地: 投稿数: 2002 |
Re: zizi通信 05 「水の空に眠る」第ニ話 マネージャー戸田が控え室でふんぞり返っている間寛太に近づく。
「お疲れ様です。よかったです。あのハーモニカに手を伸ばして、 手が重なり合ったときの演技なんか、アカデミー賞ものですよ。 ヘタッピな歌うたっているより、こっちの方がイケるんじゃないでしょうかね」 「あのな。戸田」 「これ、3話の台本です。出番、けっこうありますよ。戦闘シーン。見せ所ってとこですかね」 寛太、台本を受け取り、ぱらぱらページをめくる。 「でも、よかったですねぇ。脚本監督のziziさんを接待して。 あのままだったら、間違いなく出番なくなっていましたよ。 なにしろ、視聴者のお目当ては、なぎこさんですからね。 3話では、名演技お願いしますよ。パッと、かっこよく散ってください」 ドア、ノックされて、ADが顔を出す。 AD「すみません。さっき渡した3話の台本ですが、変更するかも知れないので回収させてもらえますか」 戸田「どういうことよ」 ADが戸田にボソボソ耳打ちする。戸田、寛太の膝から、はらりと落ちた台本を拾い、ADに渡す。 AD「じゃぁ。お疲れ様でしたぁ」 寛太「なんだって？」 戸田「戦闘シーンなくなるかも知れないって」 寛太「。。。」 寛太、徐に立ち上がる。 「どこ行くの。これから番宣インタビューだってのに」 「トイレ。小便」と寛太は戸田を怒鳴る。 「それからなぁ。お前のその、突然タメ口になる癖、やめろ」 「は、はい。インタビュアは美人歌手のアサコさんです。ネクタイ曲がってます」 ＝＝＝ インタビュー ＝＝＝ アサコ「はい。今日は、いま話題の連続ドラマ「水の空に眠る」ご出演のハザマカンタさんです」 寛太「カンカンターっす」 アサコ「あらま。失礼しました。間寛平さんのお弟子さんかと思いました。 「アヘアヘアヘアヘ…」とか「アーメマ！」とか「かいーの」ってギャグを期待してたんだけどなぁ」 寛太の内心語＜美人でなきゃ、首締めたろか＞ アサコ「まぁ、それはそれとして、歌を歌ってらっしゃるそうで、 最近では、自分の声に限界を感じているらしく、ウグイスの声でお茶を濁しているそうですね。 今回のこのドラマ出演は、転換の絶好のチャンスだったのではないですか？」 寛太の内心語＜グサグサくるなぁ。この情報は、戸田か？＞ 寛太（作り笑顔で）「まぁ、歌をやめるわけではないっすが、役者として幅を広げていければと。はは、はははははっ」 アサコ「第3話の出番が気になるところですねぇ。はい。今日はハザマカンタ」 寛太「カンカンターっす」 アサコ「あっ。失礼。カンカンタさんの控え室にお邪魔しました。じゃぁ。またねぇー」 寛太、＜おい。もう終わりかよ＞と思いながら、一緒に笑顔で手を振ってしまう。 アサコ「お邪魔しました。（小声で）お笑いタレントじゃなかったんだ」 と番宣スタッフと控え室を出て行く。 寛太「とだぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」 |
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