SCRAPS さんの日記
2016
3月
29
(火)
19:37
本文
私の多感な中学高校生時代に、欠かさず聴いていたラジオ番組がありました。
NHK FMのサウンドストリートという番組です。
日替わりでパーソナリティが違うのですが、詳細に興味がおありの方が万が一ありましたらWikiででもご確認くださいね。
毎晩楽しみだったのですが、とりわけ熱心に聴いていたのは火曜日。
火曜日の担当は坂本龍一氏。
私は当時YMOキッズだったのでほぼ毎週エアチェックしてそこでかかる曲や紹介されたアーティストをまた追うという感じで音楽の幅がどんどん広がっていったものです。
自分の基礎は大方あの時代に築かれたのでしょうね。
その番組の前期にオープニングテーマとしてかかっていたのが、「フォトムジーク」という曲でした。
この曲、実はNHK FMで1週間(月〜金の5日間)の特集番組で1曲のレコーディングを解説しながら仕上げるという企画の中で誕生した曲でした。
タイトルはドイツ語で直訳すると「写真音楽」。ファインダーから覗いた風景をイメージしたタイトルで、番組内で一般公募によってつけられた名前です。
原曲はこちら。
余談ですがNHKのみんなのうたという番組で流れていた「コンピューターおばあちゃん」のB面に収録されておりました。
更に余談ですが、「コンピューターおばあちゃん」は元々、私も毎週割りと楽しみに見ていた「あなたのメロディー」というやはりNHKのテレビ番組に投稿された作品で、番組内では違うアレンジでコスミック・インベンションが演奏してましたね。
そんなわけで、中学生の頃ラジオの前にかじりつくようにして聴いていた私にとっては非常に思い入れの深い曲なのです。
もう三十数年前の音楽ですけどね。
それで最近、この曲をコピーしてみようかなとふと思い立って、やってみたのです。
MacBook ProのACアダプターが断線してしまった(同じ箇所を2度めですよ)のですが、ようやく新しいACアダプターも届き、中断していた作業を完了させました。
当時の番組のエアチェックテープは以前デジタル化してあったし、動画サイトにもダイジェスト版はあったので、それらを聞き返して思い出しながら作りました。
主に番組中の制作過程の手順を追いながらという感じで。
個人的にようやく80年代テクノポップ再評価の時期が来ていると勝手に思っておりまして、おじさんの真剣な遊びとしてやってみたのです。
タモリ氏の名言に「真面目にやれ! 仕事じゃないんだぞ!!」というものがありますが、まさしく心情としてはそれです(笑)
参考までに、原曲は1981年の作品だそうです。
今時シンセサイザーといえば数多のプリセットから音色を選ぶというのが正しい使い方なのでしょうが、古臭いアナログシンセ(デジタルなエミュレーターですけどね)でいちいち音色を作るのも、時間をかけられるアマチュアならではの楽しみ方ではないでしょうかね。
それじゃあまぁ、よかったらお聞きください。
SCRAPSのコピー版「フォトムジーク」
途中と最後の方で入ってくるメロディはArp OdysseyのエミュレーターソフトでG-Force Oddity、その他のシンセはすべて、Prophet-5のエミュレーターでArtulia Prophet-Vというソフトシンセです。
実際にレコーディングで使用されていたのがProphet-5とArp Odysseyでしたから、それに準拠する形で。
そういえば近年、Arp OdysseyはKorg社によってハードウェアとしてちゃんと復刻されたんですよね。
で、レコーディング時坂本教授は高橋幸宏氏のドラムセット(TAMA Super Star)を借りて自分で叩いてました。
おぼろげな記憶ですが、当時の高橋幸宏氏のスネアはTAMAのベルブラスだったはず。
それで今回のコピーにあたってスネアはベルブラスをチョイスしてあります。
今や滅多に聞くことのないゲートリバーブというエフェクト処理をしておりますよ(笑)
少し詳しく解説しますと、バスドラは毛布ミュートされていないリリースの長いドーンという音源を選んで、ゲートで余韻をカットしています。これは原曲のレコーディングでそうやっていたので真似しました。
打ち込みですが、手入力なので強弱がバラバラですからコンプで音圧を揃えてあります。
スネアも同じように処理してますが、エフェクト・センドでプレートリバーブを0.9秒くらいかけて、ハーモナイザー(ピッチシフター)で周波数を落としてからゲートで余韻をまたカットしてます。
当時だと恐らくKEPEX IIを使っていたはずなのでエミュレーターを探したのですが、あいにく見つけることができず、何種類かゲートやエキスパンダーを試してみました。
いろいろ試した挙句、結局Logicにバンドルされているゲートが試した中では一番良かったというオチでした(笑)
ちなみにWavesのC1ゲートは今回の用途では全然ダメでした。
ただ切れりゃいいってもんじゃないのよ、という感想です。
そんなこんなでいろいろと試行錯誤してみたのですが、残念ながらどう頑張っても原曲のようなシルキーで味わいのあるキレ具合のゲートリバーブにはなりませんでした。奥深いものです。
このセンドチャンネルにはタム類も一緒に突っ込んでいます。
ハイハットはTR-808のハイハットにフランジャーとショートディレイをかけてます。
それと当時YMOのメンバーが使っていたスタジオの卓はSSLだったはずなので、SSLのチャンネルストリップ(これもエミュですが)を各トラックに挿してEQだったりコンプだったりの処理をしてます。
あと今回、テープサチュレーション系のプラグインも挿してますね。
番組内でもアナログテープのマルチで録ってましたから。
このまま解説していくとまたとんでもなく長くなってしまいますのでこれくらいにしておきましょう。
まとめますと、要するに完全に自己満足なコピー遊びだったわけです(笑)
NHK FMのサウンドストリートという番組です。
日替わりでパーソナリティが違うのですが、詳細に興味がおありの方が万が一ありましたらWikiででもご確認くださいね。
毎晩楽しみだったのですが、とりわけ熱心に聴いていたのは火曜日。
火曜日の担当は坂本龍一氏。
私は当時YMOキッズだったのでほぼ毎週エアチェックしてそこでかかる曲や紹介されたアーティストをまた追うという感じで音楽の幅がどんどん広がっていったものです。
自分の基礎は大方あの時代に築かれたのでしょうね。
その番組の前期にオープニングテーマとしてかかっていたのが、「フォトムジーク」という曲でした。
この曲、実はNHK FMで1週間(月〜金の5日間)の特集番組で1曲のレコーディングを解説しながら仕上げるという企画の中で誕生した曲でした。
タイトルはドイツ語で直訳すると「写真音楽」。ファインダーから覗いた風景をイメージしたタイトルで、番組内で一般公募によってつけられた名前です。
原曲はこちら。
余談ですがNHKのみんなのうたという番組で流れていた「コンピューターおばあちゃん」のB面に収録されておりました。
更に余談ですが、「コンピューターおばあちゃん」は元々、私も毎週割りと楽しみに見ていた「あなたのメロディー」というやはりNHKのテレビ番組に投稿された作品で、番組内では違うアレンジでコスミック・インベンションが演奏してましたね。
そんなわけで、中学生の頃ラジオの前にかじりつくようにして聴いていた私にとっては非常に思い入れの深い曲なのです。
もう三十数年前の音楽ですけどね。
それで最近、この曲をコピーしてみようかなとふと思い立って、やってみたのです。
MacBook ProのACアダプターが断線してしまった(同じ箇所を2度めですよ)のですが、ようやく新しいACアダプターも届き、中断していた作業を完了させました。
当時の番組のエアチェックテープは以前デジタル化してあったし、動画サイトにもダイジェスト版はあったので、それらを聞き返して思い出しながら作りました。
主に番組中の制作過程の手順を追いながらという感じで。
個人的にようやく80年代テクノポップ再評価の時期が来ていると勝手に思っておりまして、おじさんの真剣な遊びとしてやってみたのです。
タモリ氏の名言に「真面目にやれ! 仕事じゃないんだぞ!!」というものがありますが、まさしく心情としてはそれです(笑)
参考までに、原曲は1981年の作品だそうです。
今時シンセサイザーといえば数多のプリセットから音色を選ぶというのが正しい使い方なのでしょうが、古臭いアナログシンセ(デジタルなエミュレーターですけどね)でいちいち音色を作るのも、時間をかけられるアマチュアならではの楽しみ方ではないでしょうかね。
それじゃあまぁ、よかったらお聞きください。
SCRAPSのコピー版「フォトムジーク」
途中と最後の方で入ってくるメロディはArp OdysseyのエミュレーターソフトでG-Force Oddity、その他のシンセはすべて、Prophet-5のエミュレーターでArtulia Prophet-Vというソフトシンセです。
実際にレコーディングで使用されていたのがProphet-5とArp Odysseyでしたから、それに準拠する形で。
そういえば近年、Arp OdysseyはKorg社によってハードウェアとしてちゃんと復刻されたんですよね。
で、レコーディング時坂本教授は高橋幸宏氏のドラムセット(TAMA Super Star)を借りて自分で叩いてました。
おぼろげな記憶ですが、当時の高橋幸宏氏のスネアはTAMAのベルブラスだったはず。
それで今回のコピーにあたってスネアはベルブラスをチョイスしてあります。
今や滅多に聞くことのないゲートリバーブというエフェクト処理をしておりますよ(笑)
少し詳しく解説しますと、バスドラは毛布ミュートされていないリリースの長いドーンという音源を選んで、ゲートで余韻をカットしています。これは原曲のレコーディングでそうやっていたので真似しました。
打ち込みですが、手入力なので強弱がバラバラですからコンプで音圧を揃えてあります。
スネアも同じように処理してますが、エフェクト・センドでプレートリバーブを0.9秒くらいかけて、ハーモナイザー(ピッチシフター)で周波数を落としてからゲートで余韻をまたカットしてます。
当時だと恐らくKEPEX IIを使っていたはずなのでエミュレーターを探したのですが、あいにく見つけることができず、何種類かゲートやエキスパンダーを試してみました。
いろいろ試した挙句、結局Logicにバンドルされているゲートが試した中では一番良かったというオチでした(笑)
ちなみにWavesのC1ゲートは今回の用途では全然ダメでした。
ただ切れりゃいいってもんじゃないのよ、という感想です。
そんなこんなでいろいろと試行錯誤してみたのですが、残念ながらどう頑張っても原曲のようなシルキーで味わいのあるキレ具合のゲートリバーブにはなりませんでした。奥深いものです。
このセンドチャンネルにはタム類も一緒に突っ込んでいます。
ハイハットはTR-808のハイハットにフランジャーとショートディレイをかけてます。
それと当時YMOのメンバーが使っていたスタジオの卓はSSLだったはずなので、SSLのチャンネルストリップ(これもエミュですが)を各トラックに挿してEQだったりコンプだったりの処理をしてます。
あと今回、テープサチュレーション系のプラグインも挿してますね。
番組内でもアナログテープのマルチで録ってましたから。
このまま解説していくとまたとんでもなく長くなってしまいますのでこれくらいにしておきましょう。
まとめますと、要するに完全に自己満足なコピー遊びだったわけです(笑)
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投稿者 | スレッド |
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SCRAPS | 投稿日時: 2016-4-18 20:49 更新日時: 2016-4-18 20:49 |
ターミネーター 登録日: 2007-1-27 居住地: 宮崎市 投稿数: 1424 |
Re[2]: ziziさんへ ガラクタ通信 その11 ziziさん、まずは震災被害もなく息災でいらっしゃるようでよかったです。
宮崎県も阿蘇に近い地域は震度5弱くらいだったようですが、宮崎市内は特に被害という被害もなかったようです。 もちろん私も、周囲の人達も。 流通の問題は幾分発生しているようですね。 スーパーに行くと物によっては陳列棚に何もないという状況も散見されます。 今回パン工場が被災したようで、パンのコーナーが寂しくなってたりしますね。 そういえば、たけのこをいただいたのでたけのこご飯にしようと油揚げを買いに行ったらなかなか在庫してなくて、ハシゴ3軒目にしてようやくゲットしましたよ(笑) さて、自分で読んでもつまらない内容なのですが、よくぞお読みいただけました。 その上音源も聴いていただけてとても嬉しいです。 Prophet-5というシンセサイザー、当時170万円もする高級機でした。 中学生だった私には当然手の届かない楽器でしたし、楽器店にも試奏用のものすら置いてませんでしたから、憧れが募るばかりだったものです。 大人になって、実機を購入できる経済力のある人達が「やっぱり実機はエミュレーターソフトとは出音が違う」なんて自慢気に語っているのをネットで目にしながら、多分そうなんだろうなと思うのと同時に、そういう人たちの出してる音が、やっぱり違うなと思えるほど繊細な音作りをしているようにも聞こえず、その程度ならソフトシンセでもまぁそこそこ行けるんじゃないのかななんて持ち前のひねくれ根性が出ちゃったんですよね(笑) Prophet(実機もソフトも含め)を使ってこの曲の完コピしてる人は結構いるんですけど、その割にシンセの音色をコピーしている人はあまりいないので、今回は音色づくりをちょっと頑張ってみました。 でも途中でやっぱり飽きてしまって、最後にOddysseyのエミュレータで入れたメロディの音色はオリジナルを確認せずにだいたいこんな感じだったかなぁという印象で音を作ってしまったのですけど、後で確認したらぜんぜん違う音色でした(笑) こういうツメの甘さが自分らしいです……。 またその内音色いじるかも。 それにしても今回の震災はまた大変なことになってますね。 3.11の時は東京の都心部に住んでました。 十勝沖地震は母のお腹の中で青森市でしたし、秋田沖地震も青森市で、そして今回は宮崎市でと大きな地震に好かれているのでしょうかね、ありがたくないことに。 いずれも震源地からはニアミスで直接的な災害に遭っていないのは僥倖ですがね。 被災された皆さんの必要が満たされて早く社会復帰できるよう願うばかりです。 |
zizi | 投稿日時: 2016-4-17 19:19 更新日時: 2016-4-17 19:19 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
Re: ガラクタ通信 その11 音源聴きました、これ完コピやないですか〜。
ハンパじゃないこだわりが感じられます。 サウンドストリートはその頃私は外で遊んで家に帰るのが遅かったので(笑) 渋谷陽一とかを時々しか聞いてませんが懐かしいですね。 ともう一つ九州人繋がりでやはり触れずにいられません。 ここ数日の地震、大きく被害が出てますね、被害に遭われた方へは とにかくお悔やみお申し上げます... SCRAPSさんはM県でしたか、大丈夫でしたでしょうか、南の方は 道路と線路が九州の中央付近で寸断されてますので、お仕事への 影響や日用商品の物流の滞りが心配されますが... ちなみに私の方は特に被害も無く大丈夫でした。 それではSCRAPSさんも皆様方もお気をつけ下さいませ... |
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