zizi さんの日記
2013
9月
29
(日)
20:57
本文
Blue mirage
第7話
2013年 6月 -2
最近梅雨入りしてしまい、よく雨が降る。
アサミちゃんとは少し仲良しになれたと思う。廊下で会えば笑顔であいさつしてくれるし、音楽室も暇があったらまた来てね、なんて言ってくれて、放課後よく行く様になった。そんなある日。
「皆さん、今日からしばらくの間宜しく御願いしますね」
今日はボクのクラスに教育実習の先生が来た。なり子先生といって、大学生の可愛らしい先生だった。スクラップ先生のテンションが上がるのを見てボクたちは何か起こるんじゃないかと影で噂した。隣のクラスには樋渡先生という男の先生が来てた。アサミちゃんのクラスの事が気になってこっそり覗きに行ったけど、なかなかカッコいい先生だった。
それから数日たった放課後、音楽室へ行く。今日はマコも一緒だった。マコはあれから時々一緒に行くんだけど、途中で用事があるから、と言って早く帰る事が多かった。母さんの手伝いがあるって言ってたっけ。でも、音楽室にいる時でもボクがピアノ聴いたり練習の後アサミちゃんと喋ったりしてる時でも、アイツは一人で窓の外を眺めてる事の方が多かった。ボクにはアイツが何しに音楽室に来てるのか良くわからなかった。今日もおしゃべりが続く。
「アサミちゃんの家にもピアノあるんでしょ?どうしてここで弾いてるの?」
「うん...気分転換って言うか...このピアノ弾いてると何だか落ち着くのよ...相性が良いみたい」
「ふ〜ん...そういうのあるんだね」
「ジジ君知ってる?このピアノ、新しいピアノが来た時処分されそうになったのを先生方が反対されて、ここに置かれるようになったんだって」
彼女は相変わらず「ジジ君」と呼ぶ。そう呼ばれる事がボクはとても嬉しかった。
「へえ...そうなんだ、とても古いみたいだけど...」
「うん、私もここ通りかかって中みたらこのピアノ見つけて。何だかピンと来ちゃって...先生に御願いしたら誰も音楽室使ってない時だったら弾いてもいいぞって言われて」
その時だった。
「あっ!ねえ、アサミちゃん、ジジ!こっち来て!」
今日も音楽室まで来たものの、一人で窓の外を眺めていたマコがいきなりボクたちを呼んだ。
「オモロい展開になりそうや...」
「え?なんだよ急に」
「あっ、こっち来てしゃがんで!ほら、あれ見てみ」
ボクとアサミちゃんは言われるがまま窓の傍で膝をつき、目から上だけを窓から出してマコが示す方向を見た。
「あっ。須倉先生となり子先生だ」
「そうや。あれ、須倉先生コクってんやない?」
その方向には須倉先生がなり子先生になにやら一生懸命話しかけている。しかしなり子先生は下向いて...傍から見てると少し困惑してるようにも見える...
「あ、樋渡先生だ」
すぐ隣にいるアサミちゃんが言った方向を見ると、向こう側から樋渡先生が二人に気付いて会釈しながら近づいて行く。なり子先生は小走りに樋渡先生の方にかけ寄って行った。
「あ、ほんとや...あ、なり子先生...須倉先生に頭下げて...逃げるように樋渡先生の方に行ったな」
「うん。そんな風にも見えたね...」
「こりゃ...スクラップ撃沈や...ホントのスクラップになるんちゃうか?」
「あはは..マコちゃんそんな...まだわかんないよ...」
「そんなん言うてもアサミちゃんだって笑うてるやんー」
「うふふっ..で.もやっぱそうだよね。あれ...」
ボクはそんなアサミちゃんとマコの会話に加わる事が出来なかった。アサミちゃんと、これまでの中で最も...肩が触れ合わんばかりに接近した距離にいる事に気付いて、とてもそれどころじゃなかったんだ。
この時、ボクはこれ以上の事は望んじゃいけないんじゃないかと思っていた。
第7話
2013年 6月 -2
最近梅雨入りしてしまい、よく雨が降る。
アサミちゃんとは少し仲良しになれたと思う。廊下で会えば笑顔であいさつしてくれるし、音楽室も暇があったらまた来てね、なんて言ってくれて、放課後よく行く様になった。そんなある日。
「皆さん、今日からしばらくの間宜しく御願いしますね」
今日はボクのクラスに教育実習の先生が来た。なり子先生といって、大学生の可愛らしい先生だった。スクラップ先生のテンションが上がるのを見てボクたちは何か起こるんじゃないかと影で噂した。隣のクラスには樋渡先生という男の先生が来てた。アサミちゃんのクラスの事が気になってこっそり覗きに行ったけど、なかなかカッコいい先生だった。
それから数日たった放課後、音楽室へ行く。今日はマコも一緒だった。マコはあれから時々一緒に行くんだけど、途中で用事があるから、と言って早く帰る事が多かった。母さんの手伝いがあるって言ってたっけ。でも、音楽室にいる時でもボクがピアノ聴いたり練習の後アサミちゃんと喋ったりしてる時でも、アイツは一人で窓の外を眺めてる事の方が多かった。ボクにはアイツが何しに音楽室に来てるのか良くわからなかった。今日もおしゃべりが続く。
「アサミちゃんの家にもピアノあるんでしょ?どうしてここで弾いてるの?」
「うん...気分転換って言うか...このピアノ弾いてると何だか落ち着くのよ...相性が良いみたい」
「ふ〜ん...そういうのあるんだね」
「ジジ君知ってる?このピアノ、新しいピアノが来た時処分されそうになったのを先生方が反対されて、ここに置かれるようになったんだって」
彼女は相変わらず「ジジ君」と呼ぶ。そう呼ばれる事がボクはとても嬉しかった。
「へえ...そうなんだ、とても古いみたいだけど...」
「うん、私もここ通りかかって中みたらこのピアノ見つけて。何だかピンと来ちゃって...先生に御願いしたら誰も音楽室使ってない時だったら弾いてもいいぞって言われて」
その時だった。
「あっ!ねえ、アサミちゃん、ジジ!こっち来て!」
今日も音楽室まで来たものの、一人で窓の外を眺めていたマコがいきなりボクたちを呼んだ。
「オモロい展開になりそうや...」
「え?なんだよ急に」
「あっ、こっち来てしゃがんで!ほら、あれ見てみ」
ボクとアサミちゃんは言われるがまま窓の傍で膝をつき、目から上だけを窓から出してマコが示す方向を見た。
「あっ。須倉先生となり子先生だ」
「そうや。あれ、須倉先生コクってんやない?」
その方向には須倉先生がなり子先生になにやら一生懸命話しかけている。しかしなり子先生は下向いて...傍から見てると少し困惑してるようにも見える...
「あ、樋渡先生だ」
すぐ隣にいるアサミちゃんが言った方向を見ると、向こう側から樋渡先生が二人に気付いて会釈しながら近づいて行く。なり子先生は小走りに樋渡先生の方にかけ寄って行った。
「あ、ほんとや...あ、なり子先生...須倉先生に頭下げて...逃げるように樋渡先生の方に行ったな」
「うん。そんな風にも見えたね...」
「こりゃ...スクラップ撃沈や...ホントのスクラップになるんちゃうか?」
「あはは..マコちゃんそんな...まだわかんないよ...」
「そんなん言うてもアサミちゃんだって笑うてるやんー」
「うふふっ..で.もやっぱそうだよね。あれ...」
ボクはそんなアサミちゃんとマコの会話に加わる事が出来なかった。アサミちゃんと、これまでの中で最も...肩が触れ合わんばかりに接近した距離にいる事に気付いて、とてもそれどころじゃなかったんだ。
この時、ボクはこれ以上の事は望んじゃいけないんじゃないかと思っていた。
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投稿者 | スレッド |
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zizi | 投稿日時: 2013-10-13 7:12 更新日時: 2013-10-14 8:02 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
Re[2]: 須倉先生へ1 SCRAPSさんどもども。
体調の方は若干良くなりましたか?働き過ぎは体に毒、 一休みしながら参りましょう。 いやしかし須倉先生の唯一の見せ場がこんなでどうも申し訳ありません、 しかし須倉先生...いやまだどうなるか...わかりません。 もしよろしければどなたかスピンオフでも(笑) あ、三好絵里香女史は後半登場(しかも若い年齢で)なんですが、 先日自分がアップしている「Erika」という曲は無関係ですので すんません〜 |
SCRAPS | 投稿日時: 2013-10-12 21:37 更新日時: 2013-10-12 21:37 |
ターミネーター 登録日: 2007-1-27 居住地: 宮崎市 投稿数: 1424 |
Re: Blue mirage 第7話 須倉先生、漫画みたいな玉砕ぶりでむしろ清々しいくらいですね。(涙目)
ともあれ、カッコイイ樋渡先生にオイシイところ持ってかれるのはしょうがないですね。 ちなみに私は未だに4Sで頑張っております。4Sの前も3G(Sは付かないやつ)を辛抱して使ってましたし、あまり新しいものに食いつかないタイプのようです。経済のためにはあまりよくないんでしょうけどw |
zizi | 投稿日時: 2013-10-7 21:52 更新日時: 2013-10-7 21:56 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
喜びの九九社長 今日はzizi監督、九九社長とコンビニの駐車場で雑談中。九九社長自慢の愛本五号をいじっていると...
zizi「おおっ!来ましたよ、九九社長!キム教授からメッセージです!」 九九「あっ。キム教授この度は誠にありがとうございます。」 zizi「愛本五号改エス!紫電改みたいでカッコいい名前です」 九九「ともかく速さを体感頂きました上に御礼まで仰って頂き恐悦至極です」 zizi「でも子供社は転出超過っぽいですね」 九九「う〜ん...まあ推移を見守る事と致しましようか」 zizi「そうですね、何と言っても九九社長はロジティクスのエキスパートですもんね」 九九「ziziちゃんさ...意味わかって言ってる?」」 zizi「...すんません」 |
kimux | 投稿日時: 2013-10-7 21:06 更新日時: 2013-10-7 21:06 |
登録日: 2004-2-11 居住地: 地球 投稿数: 6943 |
愛本 愛本五号改エス、つい先ほど入手しました。
GBUC への初投稿です! 初めての LTE の速さをかみしめております。 やっとテザリングもできます。 九九社長にありがとうとお伝えください。 |
zizi | 投稿日時: 2013-10-3 20:41 更新日時: 2013-10-3 20:41 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
キム教授へ キム教授どうもありがとうございます〜!
いや..しかし...まだまだわかりません...もしかしたら倍返しでじぇじぇじぇな展開に... (すみませんウソです、こう言ったら受けるかと思って(爆) もうこのエピソードの続きは本編ではおそらく出て来ない予定です) ちなみに愛本五号機はゲットされましたでしょうか? 九九社長もレビュー楽しみにしてあります。 のでお手柔らかにお願いします(笑) ではまた次回宜しくお願い致します! |
kimux | 投稿日時: 2013-9-29 22:06 更新日時: 2013-9-29 22:10 |
登録日: 2004-2-11 居住地: 地球 投稿数: 6943 |
Re: Blue mirage 第7話 あらまあ、スクラップ先生、ふられましたか。
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zizi | 投稿日時: 2013-9-29 21:01 更新日時: 2013-9-29 21:01 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
あとがき さて。もうすぐ10月となります。今年も残りあと三ヶ月となってしまいました。この先も急ピッチで筆を進めておりますが終了までに越年するのは既に確定的の見通しですので予め御報告しておきます。
今回は特別出演になり子先生と樋渡先生に御登場頂きました。誠に申し訳ありません... kankanさんの切なくもカッコいい関連楽曲はこちらです。(勝手にスンマセン) She Was Briting 【第一期OP曲】 http://gbuc.net/modules/myalbum/photo.php?lid=15661&cid=8 Mr. DJ 【劇中挿入歌】(としてご想像下さい) http://gbuc.net/modules/myalbum/photo.php?lid=15560&cid=1 バックナンバーはこちらです。 http://gbuc.net/modules/d3diary/index.php?req_uid=2049&mode=category&cid=4 登場人物 ジジ:無気力な中学二年生。音楽室で隣のクラスの女の娘に一目ボレします。 アサミ:ジジの隣のクラスの女の娘。音楽室でピアノを弾いている。ジジと少しづつ心を通わすように..なるのか? マコ:ジジの隣の席の女子。ジジとはいつもケンカばかりしている女子。天敵なのか...? 貫太郎:ライブハウス「Kanders」マスター。結構年配です。(9話くらいから登場予定) 凪子:ライブハウス「Kanders」スタッフ。アラサー位?の美人です。(9話くらいから登場予定) ヤスオ先輩:ジジの先輩。バンド「Potmans」で活動中。現在大学生です。(9話くらいから登場予定) ユーイチ:ジジの親友、学級委員の秀才。 須倉先生:ジジのクラスの担任の先生。あだ名はスクラップ先生。 なり子先生:教育実習の可愛らしい先生。 樋渡先生:教育実習のカッコいい先生。 また、この物語はフィクションであり、登場する人物や団体の名称等は実在のものとは一切関係ありません。 それではまた次回。 |
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