zizi さんの日記
2013
9月
10
(火)
21:58
本文
Blue mirage
第5話
2013年 5月 -2
最近はとてもいい天気が続く。学生服だと暑いくらいだ。
今日。いつもの自分の教室のゴミ捨てに行こうとしていたら、どういうワケかマコの奴が手伝うと言い出した。何かオカシイなあと思ってたんだけど...音楽室を通りかかるとアサミちゃんのピアノが聴こえて来て。そしたらいきなりマコのヤツが音楽室に入ろうとボクをけしかけて来たんだ。ボクは何だか不自然だから止めようと言ったんだけど、ヤツは完全に面白がっているみたいだった。
で、ボクの体を押しながら...ってこの時必死で抵抗したワケじゃないけど...マコはいきなり音楽室の扉をガラっと開けて、
「アサミちゃん、久しぶり!コイツがピアノ聴きたいってよ」
なんて言うんだ。ボクはドギマギして
「迷惑だからいいよ。早くゴミ捨ていこう」
と言って音楽室を出ようとしたんだけど、アサミちゃんは、そんなボクたちを見てクスクス笑って、
「マコちゃん、相変わらず元気だね。今ね、今度の発表会で弾く曲練習していたの。まだあんまり弾けないんだけど...もし良かったら予行演習に弾いてみようかな?」
と言って、一曲弾いてくれた。ショパンの「舟歌」だった。
とっても良かった...とても言葉にならない。アサミちゃんと指と腕の動きを、この前よりももっと近くで見てピアノを間近で聴いて...ボクは感動の余り全身鳥肌が立ち、天にも昇る気持ちだった。心が洗われると言うのかな。でも、アサミちゃんが弾き終わってもボクは上手く感想を伝える事が出来ずに
「凄く上手だね...とても良かった...」
としか言えなかったのが心残りだ。でも、アサミちゃんは
「まだあんまり弾けてないから...もっと練習しないと...」
って少し恥ずかしそうにに言うんだ。ピアノを弾いてる時の真剣な表情と、弾き終わった後のちょっと照れくさそうな仕草にとてもギャップがあって...ボクはより心がときめくのを感じた。
で、ふと気になって隣を見るとあのバカ女は事もあろうか居眠りしてるんだ。ボクは頭に来て奴のコメカミにグーを当ててグリグリしてやった。ハッと目を覚ました時の奴の間抜け面が忘れられない。ここまでは良かったんだけど、そしたらマコは寝ぼけマナコをこすりながら
「何すんねんっ」って言って。それからは...
「オマエが居眠りなんかしてるからだろ」
「目ぇつむって聴いてただけや」
「ウソつけ。口半分開いてたぞ」
「きゃ、女子の横顔覗いてから...ヘンタイや〜、ねぇアサミちゃん?」
「ちょ、な...何言ってんのオマエ!?」
そんな応酬をしてたらアサミちゃんはお腹かかえて笑ってて...
「漫才みたいだね」って言われてボクたちは二人とも我に帰って。ボクはもちろんそんなアサミちゃんを初めて見て、その姿があまりにも可愛いらしかったので、もうさっきまでのマコとのやりとりがどうでも良くなってた。そしたら急にマコが。
「ね、コイツもピアノ弾けるんよ。少し弾かせてみない?」
なんて言い出して。ボクは慌てて
「バカ、ヤメロよ、早くゴミ捨て行かないと」
と言って音楽室を出て行きた。後で聞いたらマコはアサミちゃんとそれ程仲良かったわけでも無いらしい。それなのに何で急にあんな事したのか…良かったのか悪かったのか…まあそんな事があった。 でもきっかけはとにかくアサミちゃんと気楽にお話出来たような気がする。
この時、ボクはただあの娘と話が出来た、その事を喜んでいた。
第5話
2013年 5月 -2
最近はとてもいい天気が続く。学生服だと暑いくらいだ。
今日。いつもの自分の教室のゴミ捨てに行こうとしていたら、どういうワケかマコの奴が手伝うと言い出した。何かオカシイなあと思ってたんだけど...音楽室を通りかかるとアサミちゃんのピアノが聴こえて来て。そしたらいきなりマコのヤツが音楽室に入ろうとボクをけしかけて来たんだ。ボクは何だか不自然だから止めようと言ったんだけど、ヤツは完全に面白がっているみたいだった。
で、ボクの体を押しながら...ってこの時必死で抵抗したワケじゃないけど...マコはいきなり音楽室の扉をガラっと開けて、
「アサミちゃん、久しぶり!コイツがピアノ聴きたいってよ」
なんて言うんだ。ボクはドギマギして
「迷惑だからいいよ。早くゴミ捨ていこう」
と言って音楽室を出ようとしたんだけど、アサミちゃんは、そんなボクたちを見てクスクス笑って、
「マコちゃん、相変わらず元気だね。今ね、今度の発表会で弾く曲練習していたの。まだあんまり弾けないんだけど...もし良かったら予行演習に弾いてみようかな?」
と言って、一曲弾いてくれた。ショパンの「舟歌」だった。
とっても良かった...とても言葉にならない。アサミちゃんと指と腕の動きを、この前よりももっと近くで見てピアノを間近で聴いて...ボクは感動の余り全身鳥肌が立ち、天にも昇る気持ちだった。心が洗われると言うのかな。でも、アサミちゃんが弾き終わってもボクは上手く感想を伝える事が出来ずに
「凄く上手だね...とても良かった...」
としか言えなかったのが心残りだ。でも、アサミちゃんは
「まだあんまり弾けてないから...もっと練習しないと...」
って少し恥ずかしそうにに言うんだ。ピアノを弾いてる時の真剣な表情と、弾き終わった後のちょっと照れくさそうな仕草にとてもギャップがあって...ボクはより心がときめくのを感じた。
で、ふと気になって隣を見るとあのバカ女は事もあろうか居眠りしてるんだ。ボクは頭に来て奴のコメカミにグーを当ててグリグリしてやった。ハッと目を覚ました時の奴の間抜け面が忘れられない。ここまでは良かったんだけど、そしたらマコは寝ぼけマナコをこすりながら
「何すんねんっ」って言って。それからは...
「オマエが居眠りなんかしてるからだろ」
「目ぇつむって聴いてただけや」
「ウソつけ。口半分開いてたぞ」
「きゃ、女子の横顔覗いてから...ヘンタイや〜、ねぇアサミちゃん?」
「ちょ、な...何言ってんのオマエ!?」
そんな応酬をしてたらアサミちゃんはお腹かかえて笑ってて...
「漫才みたいだね」って言われてボクたちは二人とも我に帰って。ボクはもちろんそんなアサミちゃんを初めて見て、その姿があまりにも可愛いらしかったので、もうさっきまでのマコとのやりとりがどうでも良くなってた。そしたら急にマコが。
「ね、コイツもピアノ弾けるんよ。少し弾かせてみない?」
なんて言い出して。ボクは慌てて
「バカ、ヤメロよ、早くゴミ捨て行かないと」
と言って音楽室を出て行きた。後で聞いたらマコはアサミちゃんとそれ程仲良かったわけでも無いらしい。それなのに何で急にあんな事したのか…良かったのか悪かったのか…まあそんな事があった。 でもきっかけはとにかくアサミちゃんと気楽にお話出来たような気がする。
この時、ボクはただあの娘と話が出来た、その事を喜んでいた。
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投稿者 | スレッド |
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zizi | 投稿日時: 2013-9-19 20:35 更新日時: 2013-9-19 20:35 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
訂正とお詫び またかよとお思いでしょうが...
大変申し訳ありません。「あとがき」のコーナーで >次回は...特別出演予定で教育実習の先生が少しだけ登場する...と思います と書いてしまっていましたが、この方々の登場は次の次の回でした... あまり気付かれてなかったかとは思いますが、念のため訂正させて頂きます。 次の次の回は...特別出演予定で教育実習の先生が少しだけ登場する...と思います です。大変申し訳ありません... |
zizi | 投稿日時: 2013-9-16 16:54 更新日時: 2013-9-16 16:54 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
ドモンジョさんどもども。 おお、これはこれはドモンジョさん、メッセージどうもありがとうございます。
監督のziziです。や、kankanさんはまだ腰をお上げにならんのですか、 まあPCもkanさんも結構おトシなんでしょうからあまり無理なさらぬよう お伝え下さい。もしよければ新しいPCも検討されてはいかがでしょうかね、 新しいOSも登場しそうですし...九九社長も喜ぶと思いますよ。 それに第九話あたりから登場してもらいますからね、そろそろスタンバイ して頂いておかないと... え?ショ、ショーペン...哲学的な方でしたか、いやいやそんな... まあ思春期の頃ってのはどうもちぐはぐな...考えてる事と言ってる事と やってる事がこう...もどかしいみたいなそんな感じがあった...かな? そう、何かに気付かずイライラしたり... ま、まだまだ淡々とした展開ですが、マイペースで続けて参ります。 今後も宜しくお願い致します。 あ、そういえばスタッフのモナカさんは御元気ですか? 今度飲みに行きましょうとお伝え下さい。 |
kankan | 投稿日時: 2013-9-16 1:52 更新日時: 2013-9-16 2:02 |
TheKanders 登録日: 2008-1-14 居住地: 投稿数: 2002 |
ドモンジョよん>Blue mirage 第5話 今ね。4話と5話、読んだの。
アサミとマコ、そしてジジ。 その雰囲気がとっても(*´ω`*)。 校舎の匂い、そして、その上に広がる空。 青臭くて、単純さと複雑さ、そして葛藤。 ショーペンハウアーなんて読みたくなるお年頃。 ドモンジョ。とっても懐かしい。 恋した気持ちに気づかずに、いつもイライラしてたっけ。 今じゃ、恋した気持ちを追い求めているけどね。 そうそう、ラジオの方だけど、kankanの腰が重いの。 北海道に行っていたみたいだけど、 例のバーで会ったとき、白い恋人を口に放り込まれて、 「どうすんの」って訊いたら、 「PCがさ。次から次と調子悪くなってさ。6台目のおいらの調子も大不調さ。まったく、なんて年だ。(ばいキング風)」 「エッチな動画ばっか見てるからじゃないの?」 「エッチな動画かぁ。エッチな動画ねぇ。そうか。見るの忘れてた。そういう手もあるなぁ。どのマシンなら大丈夫かな。YouTubeも重いからなぁ。エッチな動画かぁ。いい響きだ。懐かしい」 ってな感じ。 「なら酒控えれば」って言ったら。 「控えたら、もっと調子悪くなる」 だって。 なんか、口の中がボロボロで、歌もままならないんだって。 だから、ラジオ局の方は、お前に任せるって言われた。 zizi監督。 Blue mirage 。うまいこと、進めてやぁ。 期待してるきに。 |
zizi | 投稿日時: 2013-9-14 12:02 更新日時: 2013-9-14 12:02 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
九九社長との電話 zizi監督は久々の連休を味わっていた。今日は龍屋から借りて来たDVDでも見るか...BOB凄い...何だか三突っぽいのが出て来た...何で「みずねむ」書き始める前に観なかったんだろう...そんな事をソファに座りながら考えていると愛用のガラケーに着信が入った。
お。久々の九九社長だ。 九九「ziziちゃんおはよ。元気?」 zizi「ええ、まあ相からわずですよ。しかし九九社長、つ、ついに...やりましたね、コドモ社での新型愛本五号機取扱!」 九九「ん?ああ、あれね...何か困ってるみたいだったから。」 zizi「え。それはどちらが...いやいいですこちらの話です。まあ選択肢が増えるのは良いのですが...」 九九「ですが、何なのよ」 zizi「私のようなガラケー愛用者にはちょっとどうでも良いかと...」 九九「ちょ。何て事言うのよ今更。」 zizi「いや私にとっては開発中止したかと思ってたDAWの「論理」のニューバージョンの方が気になります。」 九九「ああ、あれね。まあ頑張ってね。スマホはいいの?」 zizi「う〜ん...まだまだ高い...」 九九「....」 zizi監督のケチさに唖然とする九九社長であった... |
zizi | 投稿日時: 2013-9-10 21:59 更新日時: 2013-9-10 21:59 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3247 |
第5話 あとがき 最近ようやう涼しくなって参りました。物語中ではまだ5月ですが、鋭意制作中ですのでそのうち季節的にも追いつくと思います(相変わらず無責任ですみません)。次回は...特別出演予定で教育実習の先生が少しだけ登場する...と思います。それではまた〜。
kankanさんの切なくもカッコいい関連楽曲はこちらです。勝手に第一期OP曲(スンマセン) She Was Briting http://gbuc.net/modules/myalbum/photo.php?lid=15661&cid=8 バックナンバーはこちらです。 http://gbuc.net/modules/d3diary/index.php?req_uid=2049&mode=category&cid=4 登場人物 ジジ:無気力な中学二年生。音楽室で隣のクラスの女の娘に一目ボレします。 アサミ:ジジの隣のクラスの女の娘。音楽室でピアノを弾いている。ジジと少しづつ心を通わすように..なるのか? マコ:ジジの隣の席の女子。ジジとはいつもケンカばかりしている女子。天敵なのか...? 貫太郎:ライブハウス「Kanders」マスター。結構年配です。(9話くらいから登場予定) 凪子:ライブハウス「Kanders」スタッフ。アラサー位?の美人です。(9話くらいから登場予定) ヤスオ先輩:ジジの先輩。バンド「Potmans」で活動中。現在大学生です。(9話くらいから登場予定) ユーイチ:ジジの親友、学級委員の秀才。 須倉先生:ジジのクラスの担任の先生。あだ名はスクラップ先生。 また、この物語はフィクションであり、登場する人物や団体の名称等は実在のものとは一切関係ありません。 それではまた次回。 |
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