SCRAPS さんの日記
2013
4月
19
(金)
01:38
本文
今回はいつもとは趣向を変えて、ある1曲について語りたいと思います。これ以上ドン引きされないようにと願いますが、さてどうなることやら。
去る4月13日をもって、愛するキリンジから堀込弟が脱退しました。
キリンジというのは堀込高樹と堀込泰行の兄弟コンビです(でした)。
まあ、確かにバンド(ではないか、ユニット? というかデュオか)としてのピークは過ぎた感が否めなかったものなぁ。
でも大好きでした。私としては堀込高樹(兄)の曲の方が特に好みで、まぁ、ふたりとも音楽界から姿を消すわけでもないですし、いいのですけどもね。
そんなわけで、このところ車内でのBGMはひたすらキリンジです。
確かキリンジの最初の5枚目のアルバムまでは、これまた私の大好きな(あくまで音楽的な意味で)冨田恵一によるプロデュースとなっています。
キリンジの曲の中で、1,2を争うくらい好きな曲がその5枚目のアルバム「For Beautiful Human Life」(通称カネボウ)に収録されている「ハピネス」という曲。メロディもハーモニーもアレンジも、そして歌詞もすべてが大好きなこの1曲。いやぁ、これが実に性格が悪い歌で。(笑)
とってもシニカルな歌詞に、複雑でまずカラオケで歌えるような気がしない(もっとも私はカラオケに誘われても頑なに断り続けてきた変わり者ですけど。それにこんな曲カラオケにないでしょうけど)ひねくれたメロディが、なんとも複雑な心情を見事に表現しています。
楔を打ち込むようなドライブ感のない止まったリズムのドラムが心臓を叩き、一方でその何たるかを実に分かっているグルーヴィーなベースが腰に来ます。ウワモノのピアノも巧みにハーモニーとリズムを刻み、美しいストリングスラインは緊張感を高めます。
しかしながら、歌の内容はもう実に情けない男のシニカルな暴言。セレブ志向でミーハーっぽい妻に対する実に冷ややかな目線。それをどうにかしようとするのでもなく、表面上は文句も言えず付き合わされている男。でも心の声はかなり辛辣。男は自分のことを語ることなく、歌の中ではひたすら妻について語り、毒づきます。しかしそれによって不思議とこの男性のことが見えてくるようになっているのがこの歌の凄いところ。
歌詞の組立も素晴らしい。
私は実は普段音楽を聴いていても言葉がなかなか耳に入ってこない(なので歌が覚えられない)のですが、この曲に関しては不思議と歌詞もメロディも覚えてしまいました。
私の場合、いかにも過激な言葉や音で過激なことをやられるよりも、やんわりと一見そうは見えない(聞こえない)んだけど、よく見ると(聞いてみると)なんかこれ凄いっていう方が好みに合います。
ちょうどヤクザも大物ほど物腰が柔らかくて、そこが見た目がいかにも怖いチンピラよりもむしろ怖いみたいなことです。(違います)
この曲も美しいアレンジとソフトで優しい歌声なのに、臓物が飛び交うパンクバンドのギグとはまた違った怖さがあります。私の場合はこっちが好き。
私自身も元々アイロニカルな人間だからなのでしょうか。そういえば、若いころの私はものすごい皮肉屋で、しかしその皮肉自体もひねくれすぎていて、相手には、意に反して誉められたと思われてしまい、結果喜ばせてしまうという本末転倒で不本意な状態になるので、バカバカしくなって人を皮肉るのはやめました。それだけの観察力があるのなら、良い所を見つけて誉めた方がよほど建設的です。
でも、この救いようのない歌詞、本来の私の底意地の悪さと共鳴するからなのか、愛さずにいられません。(笑)
最近聴きまくっていたので、こんな曲を作ってみたくなりました。
ハピネス / キリンジ
去る4月13日をもって、愛するキリンジから堀込弟が脱退しました。
キリンジというのは堀込高樹と堀込泰行の兄弟コンビです(でした)。
まあ、確かにバンド(ではないか、ユニット? というかデュオか)としてのピークは過ぎた感が否めなかったものなぁ。
でも大好きでした。私としては堀込高樹(兄)の曲の方が特に好みで、まぁ、ふたりとも音楽界から姿を消すわけでもないですし、いいのですけどもね。
そんなわけで、このところ車内でのBGMはひたすらキリンジです。
確かキリンジの最初の5枚目のアルバムまでは、これまた私の大好きな(あくまで音楽的な意味で)冨田恵一によるプロデュースとなっています。
キリンジの曲の中で、1,2を争うくらい好きな曲がその5枚目のアルバム「For Beautiful Human Life」(通称カネボウ)に収録されている「ハピネス」という曲。メロディもハーモニーもアレンジも、そして歌詞もすべてが大好きなこの1曲。いやぁ、これが実に性格が悪い歌で。(笑)
とってもシニカルな歌詞に、複雑でまずカラオケで歌えるような気がしない(もっとも私はカラオケに誘われても頑なに断り続けてきた変わり者ですけど。それにこんな曲カラオケにないでしょうけど)ひねくれたメロディが、なんとも複雑な心情を見事に表現しています。
楔を打ち込むようなドライブ感のない止まったリズムのドラムが心臓を叩き、一方でその何たるかを実に分かっているグルーヴィーなベースが腰に来ます。ウワモノのピアノも巧みにハーモニーとリズムを刻み、美しいストリングスラインは緊張感を高めます。
しかしながら、歌の内容はもう実に情けない男のシニカルな暴言。セレブ志向でミーハーっぽい妻に対する実に冷ややかな目線。それをどうにかしようとするのでもなく、表面上は文句も言えず付き合わされている男。でも心の声はかなり辛辣。男は自分のことを語ることなく、歌の中ではひたすら妻について語り、毒づきます。しかしそれによって不思議とこの男性のことが見えてくるようになっているのがこの歌の凄いところ。
歌詞の組立も素晴らしい。
私は実は普段音楽を聴いていても言葉がなかなか耳に入ってこない(なので歌が覚えられない)のですが、この曲に関しては不思議と歌詞もメロディも覚えてしまいました。
私の場合、いかにも過激な言葉や音で過激なことをやられるよりも、やんわりと一見そうは見えない(聞こえない)んだけど、よく見ると(聞いてみると)なんかこれ凄いっていう方が好みに合います。
ちょうどヤクザも大物ほど物腰が柔らかくて、そこが見た目がいかにも怖いチンピラよりもむしろ怖いみたいなことです。(違います)
この曲も美しいアレンジとソフトで優しい歌声なのに、臓物が飛び交うパンクバンドのギグとはまた違った怖さがあります。私の場合はこっちが好き。
私自身も元々アイロニカルな人間だからなのでしょうか。そういえば、若いころの私はものすごい皮肉屋で、しかしその皮肉自体もひねくれすぎていて、相手には、意に反して誉められたと思われてしまい、結果喜ばせてしまうという本末転倒で不本意な状態になるので、バカバカしくなって人を皮肉るのはやめました。それだけの観察力があるのなら、良い所を見つけて誉めた方がよほど建設的です。
でも、この救いようのない歌詞、本来の私の底意地の悪さと共鳴するからなのか、愛さずにいられません。(笑)
最近聴きまくっていたので、こんな曲を作ってみたくなりました。
ハピネス / キリンジ
(閲覧:16779) | (好きボタンポチっと数:)
投稿者 | スレッド |
---|---|
なり | 投稿日時: 2013-4-22 11:02 更新日時: 2013-4-22 11:02 |
ケンシロウ 登録日: 2006-5-4 居住地: チューリップ畑 投稿数: 578 |
Re: ガラクタ通信 その6 マニアックな方が集うところへ場違いな私がやって来ました。
私もキリンジははじめて聴きました。 邦楽に疎くて、名前だけはよく知っていたのですが、こういう音楽だったんですね。 SCRAPSさんの解説を読んでThe Smithsの「Girlfriend in a Coma」を思い出しました。 意識不明で危篤の恋人のことを牧歌的な曲調に乗せて歌った作品で、当時は「不謹慎だ」「悪趣味だ」などと言われてましたが…。 美しいメロディに暴力的なギターの音をかぶせるとか、穏和で優美な音に毒のある歌詞をつけるとか、ギャップ感に萌えるじゃないですけど、そういう手法ってありますよね。 私はわりと昔からその手の音楽に惹かれる体質です(業が深い)。 SCRAPSさんは音楽を聴くときに、「音」の優先順位が高いのでしょうか。 私は節穴のような耳の持ち主なうえに俗物で、美メロとかキャッチーなメロディに弱いです。 80年代歌謡曲なんかも密かに好んでいたりします(開陳)。 音楽を聴くときはメロディの優先順位が高いですね。GBUCでも大抵はそうですが、コメントする前に3回は聴きます。 まず何も身構えず無防備に曲全体を味わう。2回目にメロディ、3回目にサウンド、でしょうか。 そして3回聴く間に歌詞を把握する、というような。もちろん曲、アーティストによっては歌詞が優先される場合もあります。 でも私の周囲の通な方って、みんな音やリズムを重視した聴き方みたいです。 ところで、ニューアバターの件、盛り上がってますね! ziziさんのところのコメント欄がいろいろ面白すぎます(笑)。 ゴルゴうさぎに馴染んでいたので「おおっ」と思いましたが、知的なお顔立ちですね |
返信 | 投稿者 | 投稿日時 |
---|---|---|
Re[2]: なりさんへ ガラクタ通信 その6 | SCRAPS | 2013-4-22 13:14 |
投稿者 | スレッド |
---|---|
gigo | 投稿日時: 2013-4-22 4:59 更新日時: 2013-4-22 5:08 |
登録日: 2004-6-2 居住地: 中央公園西半丁入る北通り下駄履き最上階北窓日照短猫付時折雨漏り環境並地下鉄バス近大通り東3丁目元馬通 投稿数: 4160 |
Re: ガラクタ通信 その6 私もまったく聴いた事がないのですが、
と言う以上に「キリンジ」と言う名前さえ知らないです。 てなわけで「ホリコメブギョウ」って何だろう?と思って 一応「キリンジ」とは何か、ウイキペディアにお伺いをして来ました。 なるほど兄弟グループなんですね。 私の知識は「ぴんから兄弟」「こまどり姉妹」止まりのようで 私の耳には、現代日本のお洒落音楽と言う感じです。 こういう曲はどうして見つけるんでしょう。 テレビなのかな。それともアップルストアのサンプルとか? その辺りの興味があります。 タイトルの「ハピネス」と聞くと、反射的に ビートルズの「Happiness is a Warm Gun」を思ってしまうのは、昔聴き過ぎたせいかもしれない。 もうひとつ、思い出したのは。 これもだいぶ昔の話で、フランスの女の大臣が(名前をわすれてしまった。私でも知っていた名前だから女優だったか?)、英語の記者会見の「あなたが今いちばん欲しているのは」と言う質問に、フランス訛りの英語で「Hapiness(あぺにす)」と答えたと言う話。 Happiness is a Warm Gun. Yes, It is. -- アバター変わって、なんだか別な人に語りかけてるような!? |
返信 | 投稿者 | 投稿日時 |
---|---|---|
Re[2]: gigoさんへ ガラクタ通信 その6 | SCRAPS | 2013-4-22 10:00 |
投稿者 | スレッド |
---|---|
zizi | 投稿日時: 2013-4-20 22:13 更新日時: 2013-4-20 22:13 |
登録日: 2008-4-25 居住地: 投稿数: 3257 |
Re: ガラクタ通信 その6 実はこの曲初めて聴きました。
しかしこれは何と言いましょうか。品質の高い音楽にこの歌詞... ナルホド印象的ですね、自分ではちょっと創れそうにない世界です(笑) そうですか、皮肉屋ですか、自分は疲れて来ると毒を吐くような気がします。 仕事で疲れ気味になってくる夕方になると毒舌になると若い社員から言われた 事あります(爆)自分としては二重のオブラートに包んで言ってるつもり なんですがね。(関係無い話すんません) しかしSCRAPSさんの音楽観は奥が深い...勉強になります。また教えて下さい〜! |
返信 | 投稿者 | 投稿日時 |
---|---|---|
Re[2]: ziziさんへ ガラクタ通信 その6 | SCRAPS | 2013-4-21 15:58 |
アバター
アクセス数
631943 / 日記全体
最近のコメント
- おっぱいパンさんへ SCRAPS [05-29 20:00]
- ガラクタ通信 その15 おっぱいパン [05-14 11:24]
- Re: kimuxさんへ ガラ通 SCRAPS [12-27 09:29]
- ガラ通 kimux [12-26 14:23]
- Re[2]: ガラクタ通信 その12 SCRAPS [10-08 09:04]
- Re: ガラクタ通信 その12 zizi [10-07 17:24]
- Re[2]: kimuxmさんへ ガラク SCRAPS [10-07 07:35]
各月の日記